ベールに包まれたダイオウイカが生きたまま漂着 引き取った海洋館に詳細を聞いた
いまだに謎に包まれた世界最大級の無脊椎動物・ダイオウイカ。その知られざる実態とは…
地球上で最も謎に包まれた生物のひとつと言われている世界最大級の無脊椎動物・ダイオウイカ。不明な点が多く、いまだ詳しい生態は解明されていない中、島根県の海岸に生きたまま漂着した。
■水深約600メートル以上に生息
ダイオウイカは水深約600~1,000メートルの深海に生息しているが、全長18メートル、体重1トン以上にもなる個体が発見されている。昨年12月17日には、京都府宮津市の砂浜に全長3メートルの死んだ状態のダイオウイカが打ち上げられた。
また26日昼頃には、島根県出雲市の稲目海岸で生存した状態のダイオウイカが発見された。全長4メートル10センチで、生きたまま発見されることは非常に珍しいという。
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■温かい海域から流れ着いた可能性
このダイオウイカを引き取った島根県立しまね海洋館アクアスの魚類担当石川氏は、「日本海は海底が浅いため、ダイオウイカは生息していないと考えられる。そのため、太平洋か東シナ海の温かい海域から流れついた可能性が高い」と話す。
— 島根県立しまね海洋館アクアス (@AQUASSHIMANE) January 27, 2021
何らかの影響で深海からあがってきてしまったと考えられるが、深海魚が浅い海域にあがってしまうと、もう深海には戻れないそうだ。日本では小笠原諸島や南西諸島近海で生息が確認されている。
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■貴重な研究材料として
石川氏は「今回流れ着いたダイオウイカは、対馬海流に乗って日本海に入り、日本海側から吹く強い北風に流されて海岸に漂着したと思われる」と話す。
元気な状態であれば海に放流することも考えたそうだが、かなり衰弱しており生存の見込みがないため、海洋館に引き取られた。現在は冷凍保存されており、貴重な研究材料として活用されるという。
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(取材・文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部)