女性宮家の議論から10年 漫画家・小林よしのり氏が全く進展しない状況に苦言
2011年に出版された漫画の中でも「女性宮家」の必要性を訴えていた小林よしのり氏。しかし現実は…。
■何の進展もない10年
女性宮家問題を放置してきた政治に対して、小林氏の舌鋒は鋭い。
小林:皇室の議論を聞いていても、みんな嘘ばっかり言ってるよ。政治家なのに胆力がないし、流れに任せるままで、見識ってもんがない。それをお上が何かしてくださるというふうに、良き計らいをしてくださるという風に、国民は思っているのかもしれんけど、わしにはそういう幻想は全然ない。
全部自分で考えないと自分が間違ってしまう。間違った所に自分を持ってかれてしまうと思っているから、皇室についても自分で考えて作品を描いている。結局お上任せで来たから、女性宮家ですら1ミリも議論が進まない。そして、何の進展もないまま10年きてしまったわけだ。
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■ご祝儀相場でボロが
−−−菅首相は官房長官時代に皇位継承のことはいろいろ調べてたはずなのに全く女性宮家について手を打とうとしていない。私は当初、皇室について何か手を講ずるのではないかと、菅首相に期待していた。でも、何もしていない。出てきたのは「皇女制度」案くらい。菅さんの姿勢についてはどうお考えですか。
小林:最初はすごい支持率があったでしょ。その支持率がずっと続くんだったら、ひょっとしたら、女性宮家の創設についても何かやれた可能性はある。でもご祝儀相場で、だんだんボロが出てきた。
そうすると、首相をたった一年で、あるいはそれより短くなるかもしれないけれど、降ろされてしまう可能性も出てきたわけでしょ。支持率が低下すると、コアな支持層だけはなんとか取り込もうとする。コアな支持層とはつまり、皇室の男系維持派だ。
それでまた、女性宮家の議論は置き去りにされてしまう。だから、今の菅にわしはまったく期待していないね。