外来種・ニジマス約1000匹放流に生態系破壊を危惧する声も 関係各所に聞いた

外来種であるニジマス1000匹放流は果たして適切なのか。関係各所の見解とは…

2021/02/12 13:40

ニジマス
(josefkubes/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

群馬県の太田市幹部会は、1日市役所西側の八瀬川(やせがわ)に、ニジマス約1000匹を放流した。新型コロナウイルスで不安を抱える市民に癒やしの場を提供する目的だ。しかし、ニジマスは外来種であるため、市民などから非難の声があがっている。



 

■これ以上分布拡大しないように

ニジマスはアメリカ太平洋岸やカムチャッカ半島が原産で、在来魚類との競合や捕食のおそれがあると指摘されている。そのため、環境省は「生態系被害防止外来種リスト」の「産業管理外来種」に指定しており、これ以上分布拡大しないように注意が必要としている。

また、外来種による生態系への被害を防止するために「外来種被害予防三原則」を設定。その内容は、①入れない(悪影響を及ぼすおそれのある外来種を自然分布域から非分布域へ入れない)②捨てない③拡げない(すでに野外にいる外来種を他地域に拡げない)となっている。


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■対策・管理が必要

環境省外来生物対策室は、しらべぇ編集部の取材に対して「もし放流する場合は、ネットなどで拡がらないような対策・管理が必要」と述べた。

水産庁も「ニジマスの分布域や生息数が現状以上に拡大すると、生態系や農林水産業に影響を及ぼすおそれがあるため、ニジマスを利用する方には、『これ以上分布拡大をしないように』取り組んでいただく必要がある」としている。

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