メーカー、団体、政府…誰も助けてくれない「地方ゲームセンター」の実情

都内ゲームセンターが次々潰れている。その流れは東京以外にも広がっていき…

2021/03/04 06:00

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「追い出しコンパなし、卒業旅行なし」「ゲームセンターもなし」。緊急事態宣言の延長決定を受け、小池百合子東京都知事が2日の臨時会見で公言した言葉だ。

「不要不急」の重要さは理解できるところだが、新型コロナウイルス感染拡大で、休業補償の対象になっていないゲームセンター産業にとってはあまりに「辛すぎる」一言になった。

東京の繁華街を見ると、秋葉原の「セガ秋葉原2号館(旧セガ秋葉原GiGO)」「アドアーズ秋葉原店」、新宿の「新宿プレイランドカーニバル」など、平時は多くの客を集めた大手ゲームセンターの閉店ラッシュが起きており、その流れは東京以外のエリアでも同様なのだ。


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■音ゲーの聖地

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新潟・新潟市にあるゲームセンター「プレイハウスエリナ」。

『beatmaniaIIDX』(コナミ)といった音楽系ゲームの人気筐体から『KEYBOARD MANIA』(コナミ)『バスト ア ムーブ2』(現スクウェア・エニックス)といったレア筐体まで広く取り揃えていることから“音ゲーの聖地”とも呼ばれ、大会「エリナ杯」が開かれると全国からゲーマーが集まり、ここをお目当てに来日する外国人観光客もいるほどだ。

店主の小川一郎さんは「狭い店なのですが、大会を開くと参加者40人、ギャラリーだけでも150人くらい毎回集まってくれて。でも、コロナになってからは本当に苦しい状況ですね。40年間やってきましたが、店舗維持が困難に陥ったのは初めてです」と現状を説明する。

「昨年発出された緊急事態宣言で2ヶ月間休店しましたが、それ以降売上は大幅減。わかったことは、お客さんが戻ってくるまでの時間は、休んだ期間の2倍かかるということでした。約4ヶ月経って少しずつお店も活気が戻ってきましたが、売上はコロナ前の3分の1くらいの状況と厳しいことには変わりありません」(小川さん)と続ける。


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■そもそもゲーセン産業は下火

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店を閉めていた期間ももちろん家賃などの固定費はかかる。国や県から一時的な支援はあったものの「約2ヶ月分の赤字を埋める程度」だったと小川さん。

「そもそもゲーセン業界はそれ以前から下火状態でしたから、さらに追い討ちを食らった感じです。大手さんならまだしも、うちのような個人店は後ろ盾もないので本当に苦しい」と続ける。

昨年、藁にもすがる気持ちでクラウドファンディングを行ったところ約267万円の資金援助が集まった。「おかげさまでどうにか廃業を免れましたが、まだまだ街を出歩く人は少なく、不透明な状況です」と根本解決には至っていないと吐露。

エリナは県外から来るお客さんが多いのも特徴だった。しかしコロナがその流れを完全に止めた。

「ファンの皆さんからは『とにかく頑張って欲しい』『どうにかこの時期を耐えてほしい』『コロナが終わったらすぐ行くから』と何度もご連絡をいただきました。それが本当に頑張れる糧になっています」と小川さんは声を絞り出す。

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