瀧内公美、桜のシーンに見た加藤卓哉監督のこだわり 「良い緊張感もありました」

2日公開の映画『裏アカ』で主人公・伊藤真知子を演じる瀧内公美にインタビュー。自身が演じた真知子への思い、役者という仕事に対する向き合い方など話を聞いた。

瀧内公美

SNSの裏アカウントをテーマにした映画『裏アカ』(加藤卓哉監督)が、2日(金)より新宿武蔵野館、池袋HUMAXシネマズ、渋谷シネクイントほか全国にて公開される。

SNSの裏アカウントを通して出会った男女の姿から、現代に生きる者が抱える葛藤や欲望、そして性への衝動を赤裸々に描き出した同作。主人公・伊藤真知子を、柄本佑と主演を務めた映画『火口のふたり』(2019)の演技が高く評価され、数々の映画賞に輝いた女優、瀧内公美が演じる。

しらべぇ取材班では今回、瀧内にインタビューを実施し、自身が演じた真知子への思い、役者という仕事に対する向き合い方など話を聞いた。


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■SNSに価値があるかはわからない

瀧内公美

―――真知子は、思い描いていたものとは違う毎日に行き場のない気持ちを抱え、ふとしたきっかけでSNSの裏アカウントにハマっていく…という役柄ですが、最初に脚本を読んだときは、どのような感想を持たれましたか?

瀧内:彼女が最も大切にしている仕事がなかなか上手くいかず、ふとしたきっかけで裏アカを活用していくことになり、彼女の承認欲求みたいなものが満たされていくのと同時に、どんどんと投稿が過激になっていく。


そしてゆーとと出会うけど、また満たされない日々になっていく。でも一方でお仕事での成果が出てくる。その反比例していく様が面白いと思いました。


「裏アカ」というタイトルだけれど、真知子という人間はきっと、表と裏だけではないだろうから、彼女のいろんな姿を映してあげたいと思いました。


―――この映画を見ると、SNSはあまり健全ではないものだなと思ったのですが、瀧内さんはSNSに対してどんな印象がありますか?

瀧内:気軽に活用できるものという印象で、SNS=悪いもの、というようなイメージではないです。ただ、価値があるか? と言われたら、それはわからないというのが私の考えですね。


もし価値があるとされれば、それが自分の価値となってしまったとき、自分の範疇外で操作されていく部分もあると思います。私の性格的には、余計な悩みが増えそうだなって(笑)。


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■後輩の何気ない言葉に傷つき…

―――裏アカにハマっていく真知子とは対照的に、アパレルショップの後輩店員のさやかが実名アカウントでショップの宣伝をするシーンもありました。

そのときに「店長も(写真を)あげればいいのに」と言われていましたが、真知子はSNSを仕事に活用していなかったんですかね?

瀧内:真知子なりにはしているつもりだったんです。彼女は精一杯お店の洋服を宣伝しているけど、同じような写真をあげても、何だか返ってくる反応は後輩と違ってしまう。そしてフォロワー数の少なさばかりに目がいってしまう。それで、私がダメなのかな? と思い始めて…。


自分が本来やりたいと思っていたバイヤーの仕事とは別の業務に就くことになったけど、それでも、ここで頑張りたい。でも、洋服が売れなくて、SNSの評価も低く、居場所がないように感じてしまう。視野が狭くなってしまい、複雑な気持ちだったと思います。


―――なるほど。真知子もSNS運用をしていたわけですね。それを知りながら、さやかが「店長もアップすればいいのに」と言ったのには、どんな意図があったと思いますか?

瀧内:「店長綺麗なのに、なんでもっとSNSやらないんですか?」って、嫌味なく言った本心から出た言葉なんだと思います。でも、ふと言われたことで傷つくことってあるじゃないですか。全く悪意のない言葉でも参ってるときってマイナスに捉えちゃうこともあるから。


真知子の精神状態はそのくらい落ちていた時期であったと思うんです。私は店長なのに、後輩よりもフォロワー数が少ないって。だから見下されてるのかなとか。


それが価値じゃないと思えたらいいけど、自分なんてどうせ…という劣等感が生まれちゃうと、やっぱり人と不必要に比べてしまうことになると思うんです。

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■演じながら抱いた真知子への思い

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