自閉症の男性が世界最大規模のトライアスロンに挑戦 『ライオンキング』が努力の鍵
自閉症を持つ男性がハードなトライアスロンに挑戦する。そこには社会を動かす理由があった。
■親子の関係は「ティモンとプンバ」
現在、サムさんのコーチを担当しているのは父親のアンソニーさん(62歳)で、仕事を辞めて息子のサポートに全てを捧げている。サムさんは父との関係を、大好きな「『ライオンキング』のティモンとプンバのよう」だと言う。
ティモンとプンバは、いつも陽気でポジティブな性格が印象的な人気キャラクター。自閉症であることを前向きにとらえ、挑戦し続ける二人には、ぴったりなキャラクターといえる。
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■挑戦への期待
サムさんがトライアスロンに参加することに対して、周囲の期待も大きい。
イギリスのトライアスロン協会のアンディ会長は、メディアの取材に「障害を持つ人が参加できるとは考えられなかったトライアスロンなどのローカルコミュニティに、マイノリティな人々が参加することにつながっていくだろう」とコメント。
サムさんの参加によって、障害などを抱えた人々が参加しやすい雰囲気になっていくことを望んでいるという。サムさんはZoomを通じて、特別自閉症学校に通う生徒たちと対話する依頼を受けるなど、子供たちからの期待も背負っている。
新型コロナウイルスの影響で昨年の大会は延期されてしまったが、収束すればサムさんの活躍によって、世の中の自閉症や障害に対する考えを変えていけるだろう。
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(取材・文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部)