政府有識者会議で女性宮家・女系天皇の議論は進むのか? 金子宗徳・亜細亜大学講師に聞く
菅義偉首相の呼びかけで招集された、皇位の安定継承のための有識者会議。どのような議論が展開されるのか、右派の論客に聞いた。
■小室圭さんに違和感
—いわゆる小室圭さん問題がずっと週刊誌で報道されているが、どう見るか?
金子:御婚約会見がなされた時点から、小室氏の「軽さ」に若干の違和感があったものの、眞子内親王殿下が選ばれた方だから素直に祝福申上げようと思っていました。
その後、母上の金銭問題や当人の女性関係を巡る週刊誌報道がなされるようになったことは周知のとおりです。もちろん、その真偽は定かでありません。
もし、事実であれば問題の収拾を図るべきでしょうし、誤りであるならば反論すればよいにもかかわらず、小室氏は何も対応しませんでした。結果として、秋篠宮殿下、ひいては天皇陛下に御迷惑をお掛けしているわけで、そのような不誠実さに強い怒りを抱いています。
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■女性皇族に限らないテーマ
—眞子内親王と小室圭さんの結婚が皇統の議論にどのような影響を与えると思うか
金子:現在の状況は「やんごとなき皇女を不埒な男が誑かした」という構図に見えるわけで、男系男子による継承を変えたくない側には「女系天皇を認めると、外国人男性が女性皇族を籠絡して皇室が乗っ取られる」と煽り立てる論者もいます。
けれども、これは男性皇族においても同様のことが言えます。男性皇族が外国人女性に籠絡されても問題はないのでしょうか。問題の本質は、現代社会において皇族の御結婚はいかにあるべきかということです。
皇族どうしの結婚が想定し難い今日、皇族は民間から然るべき異性を配偶者として迎え入れねばなりません。当事者の自由を尊重しつつ如何にして皇室の権威を守るか、最終的には皇族御自身のご自覚に期待申上げるよりほかになく、じつに難しい問題です。
■菅政権は国民が理解できるレベルで議論主導を
—最後に、皇位の安定的継承について、菅内閣に求めることを伺えますか?
金子:繰り返しになりますが、菅内閣には、現実に即し平均的な知性さえあれば理解できる水準で展開される議論を主導してもらいたいです。
皇室を巡る問題においては、老大家が上から目線で語りがちですけれども、それでは、国民とりわけ若い世代の共感を得ることはできないでしょう。
皇室とはいかなる御存在であるのか、これからの皇室はいかにあるべきか、国民全体が考える機会にしてもらいたいと思います。
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(取材・文/France10・及川健二)