痴漢で逮捕されたオネエタレントが地上波テレビ出演し炎上 取り上げられなかった司法の闇
全身真っ黄色のコスチュームで町中を徘徊し、「リアルピカチュウ」と呼ばれている濱田雄馬がテレビ東京に出演し話題を呼んでいる。
■『警察公論』にも掲載
事件の2日後に、産経新聞や夕刊フジが電子版で「オネエタレントが痴漢で逮捕」と記事を配信し、日刊ゲンダイはほぼ1ページを遣って事件を報道した。
さらに、警察官のための専門誌『警察公論』2019年6月号では男性が被害にあった性犯罪の例として件の事件が紹介され、まさに、性犯罪史に名を残した。検索エンジンでは、濱田雄馬と文字を入力すると、推測ワードで「逮捕」の文字が表示され、そのまま検索すると当時の記事がでてくる。
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■ネットでは抗議の声
まだ事件から3年しか経っていないことや、謝罪もせず会見も開かず、事務所代表を引責辞任するどころか責任を問うた当時の所属者を逆に追放したこともあり、濱田が番組に出ると分かるや、番組公式ツイッターには抗議の声が。
さらに、放映されてからは「痴漢に市民権を与えるのか」「この人、痴漢で逮捕された人じゃん」という声が寄せられ、炎上した。
筆者はテレビ東京に問い合わせたが、濱田の黒歴史を知った上で報道したのか、それとも、知らずにうっかり流してしまったのか、明快な回答を得られなかった。
ただ、痴漢をはじめとする性犯罪への厳罰化が叫ばれ、コンプライアンスが重視され、ジェンダー平等が謳われる今日において、痴漢逮捕者を何の注釈もなしに出してしまったことは、放送倫理上、大いに問題であることは指摘せざるをえない。