痴漢で逮捕されたオネエタレントが地上波テレビ出演し炎上 取り上げられなかった司法の闇
全身真っ黄色のコスチュームで町中を徘徊し、「リアルピカチュウ」と呼ばれている濱田雄馬がテレビ東京に出演し話題を呼んでいる。
■冤罪訴えれば3ヶ月拘留
濱田は痴漢で逮捕されたが、全面自供したために一日で釈放。罰金も30万円ですんだ。性犯罪にしては、あまりにも、刑が軽すぎる。これでは、「運が悪かった」程度にしか思わず、何事もなかったかのように振る舞ってしまうのも分からなくもない。
一方で、痴漢冤罪にあい、”犯行”を否認し続ければ、3ヶ月以上は拘留されてしまう。起訴された場合の有罪判決率は99%だから、無罪を勝ち取ることも難しい。
『冤罪弁護士』という著書がNHKドキュメンタリーでも取り上げられ、痴漢冤罪で無罪を勝ち取った今村核弁護士に、この落差について質問したことがある。
数々の冤罪事件を無罪に持ち込んだ今村弁護士はしばし沈黙した後、「だから、痴漢冤罪だとしても、『認めれば一日で釈放してやる。否認すれば3ヶ月拘留だ』という取調官の甘いささやきと脅しに負けて、虚偽の自供をしてしまう人もいる」と語った。
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■「売らんかな」の危険性
テレビは言わずもがな、公共の電波を使った公器である。テレビ東京も”痴漢”を出すのであれば、そこから見える司法のゆがみに、少しでもいいから踏み込むべきではなかったのではないか。
奇抜な格好をしている人物を、前科も問わず面白おかしく取り上げるのは、単なる「売らんかな根性」だ。オネエタレント逮捕から今月で3周年。被害者の傷は癒えないし、事件が問いかけたものはあまりにも多い。
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(取材・文/France10・及川健二)