丸山ゴンザレスが『クレイジージャーニー』で一番ヤバかった旅とは 「こだわると死ぬ」

危険地帯ジャーナリスト・丸山ゴンザレス氏が、19日の『クレイジージャーニー』を前にインタビューに答えた。

2021/05/18 09:00



■「こだわると死ぬと思ってます」

―――危険地帯の取材で、ここから先はヤバイ、ヤバくないの判断基準はあるんですか? 番組でもたまに走って逃げる映像がありますが。

丸山氏:走って逃げることはしょっちゅうあって、あれぐらいはトラブルのうちには入りません。「ヤバイの基準はありますか?」って聞かれて、明確に答えられるヤツがいたら、そいつこそ一番命を落としやすいんじゃないかな。


どんなときも、その場その場の判断が絶対に必要だし、そうやって取材を続けてきて今こうして生きてるんだから、それが正解でしょ? ぐらいの気持ちです。こだわりを捨てること。こだわると死ぬと思ってます。


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■これまでで「一番ヤバかった」取材は…

―――これまで番組が同行した取材旅で、特に思い出深いものは?

丸山氏:バックヤードも含め、思い出深いものは多いですね。一番ヤバかったのはメキシコの麻薬戦争。ギャングたちの麻薬カルテルの取材です。僕的にもテレビ的にも限界だったと思うし、もう一回やれと言われても僕は無理!


クレイジージャーニー』がレギュラー放送になって一発目(2015年4月)にやったルーマニアのマンホールタウンも面白かったですね。


その年の正月に初めて単発で番組が放送されて、スタッフから「これからレギュラーになるんで、どこか行く予定ありますか?」って聞かれて「ルーマニアに行こうと思ってます」って話をしたことを覚えています。


ずいぶん前からマンホールタウンの存在は知ってたんだけど、海外のニュースサイトの1枚の写真を見て、行きたくてしょうがなくなっていた時期で。


人間の暮らしって、食べて、寝て、友達と会話して、トイレ行って…要素はみんな一緒なのに、住む場所が違うだけでこんなに興味をそそられるものになるんだって思いました。


■正義って一番厄介

―――ところで、ゴンザレスさんはなぜ危険地帯を取材するんですか?

丸山氏:人の知らないことを知るのが面白いんです。表側には出てこない物事に対する単純な好奇心がベースですね。


じつは、自分の中では裏とか表とかあまり関係がなくて、そこにいる人はどんな暮らしをしていて、モノの品質や流通システムはどうなっているか、誰が儲けているのかといった仕組みを理解したいというのが一番。普通のビジネス取材なんかとあまり違わないんじゃないかな。


だから、現地での質問も「在庫はどれぐらい?」「返品は?」「品質保証は?」みたいなことになっちゃう。違法なことをして稼いでいる人に「悪いと思わないんですか?」って聞いても、あまり意味はないしね。なんなら正義って一番厄介。


もちろん僕の取材対象は、社会問題や環境問題、政治…いろいろな背景を抱えていますが、それをどうにかしようとか、使命感に燃えているわけでもなく、構造を知りたいんです。


自分が興味を持ったことを取材して発信しているだけですが、今もこの番組を見た方からいろいろ言っていただけるので、皆さんに関心を持っていただけているんだなと思っています。

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(文/しらべぇ編集部・しばたけろこ

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