世界遺産に置かれた自販機、よく見ると… 20年来のヒミツに思わず感動
たとえ買う気がなくとも、ふと目に入った自販機のラインナップは気になってしまうもの。しかし何やら品揃えに偏りが…。
■東照宮・担当者の名推理が炸裂?
日光東照宮といえば、江戸幕府初代将軍・徳川家康を神格化した東照大権現(とうしょうだいごんげん)を主祭神として祀る神社。記者は小学6年生の頃に修学旅行で訪れたのが最初で最後だが、日光市を代表する観光スポットである。
まず、こちらの総務担当者に「ラインナップが全て『お〜いお茶』で固められた自販機はあるのか」と確認したところ、有名な「眠り猫」がある坂下門から、200段ある階段をのぼりきった直後に「オールお茶」の自販機があることが判明。
続いて販売ラインナップを全て「お〜いお茶」にした理由を尋ねてみると、「品目については伊藤園さまの日光営業所のご担当者さまにお任せしており、こちらでは理由は分かりかねます」という回答が。
しかし日光東照宮サイドでも「全てお茶」というラインナップはかなり印象に残っていたようで、「やはり長い階段をのぼり終えた後は喉が渇きますので…そちらを見越し、飲むと一息つけるお茶を選ばれたのではないでしょうか?」と考えを語ってくれた。
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■粋なチョイスには粋な理由があった
そこで、続いては伊藤園・広報部に自販機のラインナップに関する取材を敢行。
件の自販機に関し、担当者は「日本だけでなく世界中から多くの方が訪れる日本の名所『日光東照宮』で、日本を代表する『お〜いお茶』を通じ、日本茶の魅力を国内外の方々にお伝えしたいと思い、設置に至りました」と粋な答えで返してくれた。
また「奥宮までの階段をのぼりきった後に、ほっと一息ついてほしいという思いも込めております」とのことで、こちらは日光東照宮の予想した通り。話題の自販機が設置されたのは、2002年からだという。
「自販機のラインナップ」についてさらに踏み込んだ話を聞いてみると、「『お〜いお茶』だけに限らず、当社ではロケーションやお客様の声に応じた商品ラインナップを揃えております」「各営業員がその時々で、自ら自販機を『一つのお店』として最適なラインナップを展開しております」という、頼り甲斐のある回答も見られた。
展開ラインナップのクセが強い自販機を見かけた際は、担当者の込めた思いを想像してみると、面白いかもしれない。
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(取材・文/しらべぇ編集部・秋山 はじめ)