SWASH緊急寄稿 「新聞が風俗撲滅を扇動した日、一人の少年が風俗嬢を殺した」
容疑者の少年は、犯行動機の一つとして、「風俗業は少子高齢化の歯止めに役立っていない」という趣旨を話しているという。
■海外でも起きるヘイトクライム
セックスワーカーの人々をターゲットにしたヘイトクライムは、海外でも最近起きている。今年3月、米アトランタのマッサージ店が次々に銃撃され、アジア系女性6名を含む従業員8名が殺された。
これについて、反人種差別の団体や移住労働のアジア人セックスワーカー支援団体等、7団体が次のような声明を発表している。
「反移民および反セックスワーカーの法律は、アジアの移民セックスワーカーに対する憎悪を助長し、奨励し、彼らを権利と保護に値しない、価値のないものとしてラベル付けしています」。
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■人を属性で判断しない
殺された彼女は殺される前まで、どんな暮らしをしていたのだろう。どんな夢ややりたいことがあって、休みの日はどんな時間を送っていたのかな。殺されなかったら、その日は誰とどんな話をしながら、どんなおいしいものを食べる予定だったのかな。
きっと彼女には大切な人、時間、空間、好きなこと、考え、気持ちが豊かにあった。彼女の生きた時間を具体的に想像する。それが、人をイデオロギーとして見ないということであり、人を属性で判断しないということだ。
彼女の悔しさ、恐怖、絶望、未来の喪失、命は、私たちの何と引き換えになったのか。
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(寄稿/SWASH代表・要友紀子)