NHK朝ドラ『おかえりモネ』 カキ養殖と天気の深い関係を気象予報士が分析
清原果耶主演の朝ドラ『おかえりモネ』。カキの養殖シーンが描かれていますがじつはお天気と深い関係が…。
■600℃到達の2週間後、ホタテの殻を海へ
7日に放送されたドラマのシーンは、積算が600℃に到達してから2週間後。宮城県水産業基盤整備課に聞いても、やはり積算600℃に達してカキの卵が孵ってから約2週間後が、次のステップに進むタイミングだそうです。
2週間経ち十分成長したのを見計らって、ホタテの殻にくっつけて更に成長させるのですが、大切なのは「浮遊幼生が十分成長したタイミング」を見計らうこと。良いタイミングで入れれば1日ほどで浮遊幼生がホタテの殻に付着するそうです。
龍己は「西の天気が荒れてきてる。来週はこっちも風が強くなる」と予測。風が強くなると海にいるカキの赤ちゃん・浮遊幼生が流されてしまうため、風が強くなる前に海に入れて原盤(ホタテの殻)に付着させたほうがいい。なので、来週ではなく今、海に原盤を入れるべきだ、と主張しました。
結果、そのアドバイスも考慮し、未知は原盤を海の中に入れることを決断したのです
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■祖父・龍己の予測は正しかった?
さて、その龍己のアドバイス、気象的にはどうなのでしょうか。
天気は西から変わるとよく言われます。しかしそれは2~3日後の話であって、1週間後の天気まで予測できるケースは少ないと思います。実際に、翌週の気仙沼の気象データをみると、風は弱い状態が続いて、気温は上昇していました。
未知は「やっぱり予定通り、来週まで待とうかな。気温上がりそうだし」「気象データでは、来週のほうが…」と言いつつ、経験豊富な祖父・龍己の意見も聞いて、原盤を入れるタイミングを決定しました。
ひょっとすると今後、未知が「あの時自分と気象データを信じておけばよかった」と思うようなストーリー展開になるのかもしれません。そうすると、モネが気象予報にさらに興味を持つ展開にもなってきそうです。(あくまで私の勝手な予想です)
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(取材・文/気象予報士・千種ゆり子)