北海道ウニとホタテが危機に? 温暖化論文著者の北大准教授に気象予報士が迫る
地球温暖化によって海面水温が上がると、ホタテやエゾバフンウニなどの海産物が死んでしまう可能性があるという。
今日14日、北海道・旭川では、32.3℃を観測。気象庁は17日~19日にかけて、北海道でも33℃以上になる所があるとして農作物や家畜の管理などに注意を呼び掛けています。
その北海道が温暖化によって受ける影響を明らかにした論文が、先月発表された。気象予報士の千種ゆり子が、論文を発表した北海道大学の藤井賢彦准教授に話を聞きました。
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■水温23℃以上はホタテやウニにとって危険
農林水産省の統計データによると、国内の貝類漁獲高の6割・石灰化生物(ウニ、貝類、サンゴが代表)の漁獲高の半分を北海道が占めています。
地球温暖化の進行によって海面水温が上がると、夏にホタテやエゾバフンウニにとって危険な水温(23℃以上)に達するようになり、死んでしまう可能性があるそうです。
エゾバフンウニ以外にも、キタムラサキウニというウニもいて、より高い水温でも死なずに育つことが知られています。
エゾバフンウニがとれなくなったらキタムラサキウニで代替することも考えられますが、藤井准教授の話によれば「水産的な価値からするとエゾバフンウニのほうが高値となりやすく、水産業としてはやはりエゾバフンウニの減少は痛手だ」とのことです。
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■他にも影響を受ける海産物
別の研究では、このまま地球温暖化が進めば、北日本の昆布が著しく減少する可能性が示されています。北海道といえば利尻昆布など美味しい出汁の生まれ故郷でもありますが、そういった日本の美味しい食文化が、危機に瀕するかもしれません。
では今後はどのような対策をしていけばいいのでしょうか。