「お墓参りは絶対に一人で行ってはいけない」理由を僧侶に聞いた

お盆やお彼岸、故人の命日などに亡くなった方を敬う「お墓参り」。子供の頃から習慣になっている人も多いだろう。そんなお墓参りには、絶対に一人では行ってはいけない…そんな話を聞いたことはないだろうか。

実際に、お墓参りを一人で行くのはよろしくないと言われているようだ。なぜ一人で行ってはいけないのか？　その真相を僧侶に確認した。

■なぜ一人でお墓参りはダメなのか？

2021年8月5日、長崎県大村市の僧侶・吉田武士さんは「これはマジです」「墓参りは出来れば2人以上で行ってください。1人で行かないほうがいい」と、緊迫した口調のツイートを投稿。

その理由については「熱中症で動けなくなると発見も遅れて危険です。墓は日陰が少ないし、灼けた墓石、コンクリートで石窯オーブンです」とつづられており、続く文章にて「久しぶりの墓参り、張りきって掃除すると時間も忘れやすい。休憩、水分、同伴者、お忘れなく」と注意を呼びかけた。

これはマジです。墓参りは出来れば２人以上で行ってください。１人で行かないほうがいい。熱中症で動けなくなると発見も遅れて危険です。墓は日陰少ないし、灼けた墓石、コンクリートで石窯オーブンです。久しぶりの墓参り、張りきって掃除すると時間も忘れやすい。休憩、水分、同伴者、お忘れなく。

— カレー坊主 (@curry_boz) August 5, 2021

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■「まさにコレ…」と相次ぐ体験談

新型コロナウイルスが猛威を振るう昨今では、「少人数で」の行動が呼びかけられているが、単身での夏場の墓参りは想像以上に危険なことが伝わってくる同ツイート。

こちらの投稿はわずか数日で5万件近くものRTを記録するほど話題となり、他のユーザーからは「うちの母親、まさにコレです。転倒しての骨折打撲の怪我で、たまたま近くに人がいたから救急車を呼んでもらえました…」「夏の墓地は本当に危険ですよね。私もお墓掃除の翌日、熱中症になったことあります」といった具合に、体験談に基づくリプライが多数寄せられていた。

実際、どれくらいの暑さになっているかというと…。

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■インドに匹敵するレベルの暑さ？

ツイートに寄せられた声を見ると「夏場のお墓参りは本当に危険です」など、寺院関係者のアカウントからの意見も多数。そこで今回は『鬼滅の刃』や『シン・エヴァンゲリオン』に対する愛情が凄まじいと話題になった埼玉県川越市の天台宗寺院「最明寺」に、夏の墓参り事情について尋ねてみることに。

取材を快諾してくれたのは、副住職の千田明寛さん。件のツイートについて話題を振ると、即座に「吉田さんのツイートですよね？」という反応が返ってきたではないか。僧侶界の中ではやはりかなり話題となっているようだが、そもそも千田さんと吉田さんは知人同士ということが判明した。

まずは寺院内の温度について尋ねてたところ、同県熊谷市に並んで「日本一暑い市」の異名を持つ川越市は、やはりこの時期相当な暑さに達するそうだ。

千田さんも「川越市の気温が38℃の日なんかは、お墓周辺は恐らく40度をゆうに超えているはずです」「私は昔、留学でインドに訪れていたのですが、現地の最高気温が40℃から45℃に達する時期もあり、体感的には川越のお墓もそれに匹敵する暑さを放っていると思います」と、体験談を交えつつ、夏の墓参り事情について語ってくれた。

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■実際に熱中症になったケースも

また今年に入ってから、単身の墓参者が実際に熱中症に陥ってしまったケースもあるとのこと。

千田さんは「コロナの影響もあるかもしれませんが、そもそもお墓参りに来る人の数がそこまで多くないですね」とも振り返っており、やはりもしもの事態を考慮すると、墓参りは2名以上で行なうのが正解だろう。その際は、水分補給も忘れないようにしてほしい。

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（取材・文／しらべぇ編集部・秋山 はじめ）