『世界遺産』で2週にわたって新たな自然遺産を特集 貴重な生き物たちの姿も
TBS系『世界遺産』では、22日と29日の2週にわたって「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」を特集する。
■「生きた化石」の貴重な姿
29日は「奄美・沖縄II~奄美大島と徳之島~」をオンエアする。奄美大島は暖流の黒潮が近くを流れるため、海水が温められて湿った風となり、島の山岳部にぶつかって大量の雨を降らせる。その豊富な雨が亜熱帯雨林を生み出した。世界的にも珍しいこの森には、奄美大島と徳之島にしかいないアマミノクロウサギが暮らす。
普通のウサギと比べて耳が短く、色が黒いアマミノクロウサギは、大陸と琉球列島が分離する前から生息しており、「生きた化石」とも呼ばれる。子供専用の巣穴を作って土でフタをして、授乳のたびにフタを掘ってはずし、終わるとまたフタをするなど、不思議な生態が特徴だ。
また、奄美大島にしかいない「日本一美しいカエル」といわれるアマミイシカワガエルなど、ここだけの固有種も見ものとなっている。
関連記事:河野太郎大臣、真っ黒すぎる島バナナを紹介 南国フルーツ好きは筋金入りか
■水中鍾乳洞も撮影
徳之島は、島の周縁部が奇岩地帯となっている。石灰岩が波風や雨水などによって浸食されてできたキノコのような形の巨岩など変わった景観が広がる。地底には日本最大級の水中鍾乳洞もあり、番組では水中撮影も敢行。なかなか見ることのできない光景を取り上げる。
鍾乳洞も石灰岩の地質で生まれるが、この鍾乳洞はかつて地上で形成されたものが海面の上昇によって水没したものだ。
こうした海面が上昇した時期に、生きものたちが逃げ込んだのが島の山で、山岳部の森は徳之島固有の生きものの宝庫となった。この島だけに生息する植物・トクノシマカンアオイや、高く飛ぶ不思議なネズミ・トクノシマトゲネズミなど、貴重な生きものたちの生態も紹介する。