米の消費量激減に農家も危機感 農水省も「減少に歯止めかけたい」
各種調査では高齢者ほど米を食べないということが明らかになってきた。
国内での米の1人当たりの年間消費量は、1962年度をピークに減少傾向となっている。最も多いときには118キロの米を消費していたが、2018年度はその半分程度の53.5キロに減少。しらべぇ取材班は、農林水産省と生産農家から詳しく話を聞いた。
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■高齢者ほど米を食べない
家庭における年間支出金額の推移を見ると、2012年には米の支出金額とパンの支出金額が同程度だったが、それ以降はパンの支出金額が米の支出金額を上回っている。
また、各種調査では高齢者ほど米を食べないということが明らかになってきた。農水省担当者は「高齢者は、麺などを中心に食べていると思われる」と話す。
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■国も危機感
こういった状態に、国は危機感を感じており、米の消費拡大に向けて米飯学校給食の推進や健康面からのごはん食の効用の発信を実施。農水省では、2019年に消費拡大情報サイト「やっぱりごはんでしょ!」を設置し、あわせてSNSでの情報発信を続けている。
広報室の20代職員が親知らずを抜きました。
多くの人が一度はぶつかる「親知らず抜歯」の壁。
抜歯後でも、日本の農林水産業を応援できます。
おいしい国産食材を使った、「抜歯後にオススメのご飯」を探してみました。 pic.twitter.com/ckUl65n3eP— 農林水産省 (@MAFF_JAPAN) August 18, 2021
担当者は、「さまざまなニーズに応えられる情報の発信に努めている。人口減や高齢化の進行で、米の消費量を上向きにしていくためには、相当な努力が必要と感じている。しかし、消費減少に歯止めをかける目標は達成したい」と語った。
それが日本の水田、しいては農業を守ることにつながると訴える。