コロナ禍のストレスであおり運転が増加? 国内では妨害運転罪の施行後も…
妨害運転罪施行後も止まらぬあおり運転。米国では危険運転とコロナストレスとの関係性を懸念。
■大手保険会社が独自調査
「あおり運転を受けた経験のあるドライバーは5割」。大手保険会社・チューリッヒ保険が7月、全国のドライバー2,230人を対象に実施した調査で、「1年以内にあった(経験した)」などと答えたドライバーが半数。以前より注意して運転すると答えた人が76.4%に上った。
車体を接近させる挑発行為に対しては「何もしない」「道を譲る」「逃げる」などやり過ごす対応が、大半を占めた。
49.9%のドライバーが、自分の不利にならないよう、証拠物件となるドライブレコーダーを装着し、同社広報は「確実に身を守る姿勢が身についてきている」と高く評価した。
また、あおり運転が厳罰化されたことで「危険運転は減少する」と期待する声がある一方で、「危険運転する人の心理や行動は変わらないと思う」が67%を占め、無謀運転者への根強い不信感が浮き彫りになった。
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■コロナ禍でマイカー志向も
コロナ渦で、交通関係はどう変化したか。社団法人・全日本指定自動車教習所連合会(全指連)によると、昨年1年間に自動車教習所を卒業した全国の新人ドライバー(バイク含む)は、前年比4.17%増の156万6,126人。
マイカー離れの中、前年を上回るのは7年ぶりといい、羽吉文哉事務局長は「過密のバスや電車など公共交通を避けようと、交通手段を車にシフトしようとする傾向がうかがえる」と理由のひとつを明かす。
首都圏から150キロ圏内にある栃木県那須烏山市。人口2万5,000人ののどかな小さな街だが、ここの烏山自動車教習所でも入校者が増えた。コロナの影響で失業した地元の人ら若年層から3、40代まで再就職を目指し、大型、中型免許を取りに入校してくる、という。
■車間距離が生命線
「教習車をあおらないで」とネット発信し、教習所として注目を集めた同校。指導員の小西隆さんは「相手の気分を損ねない運転をしよう」と学生に呼び掛けている。
「交差点で青信号になり前の車が止まっていても、むやみにクラクションを鳴らさない。鳴らせば『あおり』につながる」。 また羽吉事務局長は「速度に応じて車間距離を100m、80mとしっかり取る大切さを地道に教えるしかない」と交通安全の基本ルールを強調する。
「危険運転で有罪となれば、保険会社はあなたをカバーしません。すべての損失を、あなたのポケットマネーで支払うことになります」。米調査会社は、アメリカの無法運転者にこう警告している。事情は日本の保険会社もほぼ同じだ。
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(取材・文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部)