新米の季節、気象衛星から分かる「実りの秋」の訪れ 気象予報士が解説
気象衛星がとらえた秋の訪れ。田んぼが緑と黄色のパッチワーク状になっており、季節の移ろいを感じられる。
きょう9月21日は中秋の名月。お月様見えるかな? とワクワクしている方も多いと思います。地球から、宇宙の神秘に思いを馳せてみるのもいいですね。
そんな中、私は逆に、宇宙から地球を眺めてみました。すると驚きの光景がとらえられました。気象予報士の千種ゆり子がお伝えします。
■気象衛星がとらえた「実りの秋」
現在稼働しているひまわり8号は2015年7月から運用が開始されたもので、性能が格段に向上し、地表面の色々なものが映るようになりました。
秋が深まると山が赤茶色に色づいているのも確認できることで知られていますが、1ヶ月前と比べて、地面の色が「黄金色」に色づいている場所が多くあることに気付きました。
日本海側の地域、新潟~山形にかけて、1ヶ月前は緑色だったところが、1ヶ月で黄色っぽくなりました。
ここは越後平野や庄内平野など、有名な米どころです。8月はまだ青々としていた稲が、1ヶ月で黄色く色づいた様子が宇宙からもとらえられたのです。
新潟県内では既に稲刈りが終了した地域も多いそうですが、稲刈りが終わったとしても地面は黄色っぽいでしょうから、それも含めて黄色っぽく映っているようです。新米の季節ですね。
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■お米が美味しい季節に
現地の方に話を聞いたりもっと細かい衛星で確認したりすると、田んぼは緑と黄色のパッチワーク状になっている部分もあり、実際に全て一面が黄金色になっているわけではないようです。
この衛星の解像度は500mなので、地面の状況をつぶさに表現できているわけではないのですが、だいたいの状況を把握することはできます。
いずれにしても気象衛星が映した日本を見ていると、季節の移ろいを感じることができます。今年も美味しいお米を育ててくれている農家の皆様に感謝しながら、ご飯を残さず頂きたいと思います。
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(取材・文/気象予報士・千種ゆり子)