9割がキリスト教徒のブラジルに西洋最大の大仏 現地で歓迎された背景を直撃
今年8月、ブラジルに西洋最大規模の仏像お目見え。禅宗の曹洞宗が建立した。
■仏門への転機
アルベルト副住職自身は、クリスチャンの家庭に生まれながら、なぜ仏門に入ったのだろうか。
アルベルト副住職:父は金物の会社経営者。大学では経営学を専攻しましたが、在学中にファビア(ポルトガル語でスラム)の貧困地区でボランティアに活動に加わり、食べ物がない人々に接したことで「お坊さんになろう」と決心しました。
日本には2016年から昨年12月まで修行のため日本に滞在し、この間、都内の日本語学校にも通いました。タイ、ベトナム、中国など私と同じ外国人もいましたが、修行に集中する日課だったため、友だちをつくる時間は取れなかった。
日本語はとても奥深く、覚えるのが大変です。また機会があれば、日本で学びます。
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■コロナから得た教訓
「将来をあれこれ考えない。寺には月曜から金曜まで小中学生が訪れ、座禅をしたり、日本文化や環境を学んでいます。ほとんどがキリスト教の家庭です」という。
新型コロナウイルスの影響で大仏の公開が遅れたが、そこからも得た学びも。
「コロナから教えてもらったことがあります。私たち人間がいかに弱く、もろい存在であるかということ。人間は地球の中心的存在ではなく、植物や動物とともに一部の存在に過ぎない。だからこそ、地球との付き合い方を真剣に考えなければならない。人間がコロナから得た教訓です」