原宿で遭遇した看板、明らかに狙っている… 名探偵も驚きの「真実」が明らかに
原宿・竹下通りで発見したユニークな看板。その秘密に、驚きの声が多数寄せられているのだ…。
■「喫茶店」の前の姿が衝撃的すぎる…
四年ほど原宿に通いながら今日初めて気が付いた原宿のアガサ・クリスティー pic.twitter.com/WF8ilgYKUJ
— 阿部川キネコ (@kinekofu) September 17, 2021
今回の取材に快く応じてくれたのは、クリスティーのオーナーである宮本眞太郎さん。同店は今から40年以上前の1980年、宮本さんが当時ではかなり珍しい脱サラを経てオープンしたという。
さらに詳しい話を聞いたところ、現在クリスティーがある場所は、かつて「鮮魚店だった」というから驚きである。今の街並みを知っている人であれば、竹下通りの一角で魚が売られていた、という事実は到底信じ難いと思うが、戦前の頃は神宮前にある「東郷神社」にて結婚式が挙式される際、縁起の象徴でもある鯛の仕出しを行なっていたそうだ。
そこから時が流れ、クリスティーが創業した80年代当時、原宿という街では「安くて面白いものがたくさんある場所」という、今のイメージに近しい空間が形成されていく。
なお、当時の竹下通りにはクリスティーの競合ともいえる店舗が6軒ほど居を構えており、それまで会社勤めをしていた宮本さんは「ノウハウでプロに勝てるわけがない…」とも考えていたそう。
しかし他店は全てコーヒー専門店であったため、あえて張り合わず「紅茶専門店」としてクリスティーをオープン。その結果、多くの店がクローズしてしまった現在も、同店は原宿の人々に愛される「憩いの場」として、竹下通りを41年間見守り続けているのだ。
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■「アガサ」と「クリスティー」の関係は…
気になる店舗名について宮本さんは「名前の候補は元々たくさんあったんですよ」「そんな折、友人の奥さんが『この中にヒントがあるかもよ』といって推理小説をたくさん貸してくれまして、確かに小説の中にはたくさんの紅茶が登場してきたんです」と、命名にまつわるエピソードを振り返る。
そうした中、アルファベットでのスペリングこそ異なるものの、片仮名表記での「アガサ・クリスティー」の名前の中に、紅茶を意味する「ティー」が含まれていることに気づき、「これだ!」と店名を「クリスティー」に決定したそう。
それから30年後の2013年頃、宮本さんは同じビルの2Fにレンタルスペースをオープンすることになるが、「分かる人が見れば、分かってくれるはず!」という思いで店名を「アガサ」に決定したというから微笑ましい。
しかし店頭スタッフに確認したところ、両店の名前の関連性について尋ねてくる客は年に一人か二人…という状況で、宮本さんとしてはなかなか寂しい状況が続いていたそう。
そんな中、阿部川さんのツイートから店名に注目が寄せられ、宮本さんとしては期せずして悲願が叶う形に。「やっと気づいてくれたか! という思いですね(笑)」「じつはこの他にも、まだまだ店名の構想はあるんですよ」と、お茶目な表情を見せてくれた。
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■店内には思わぬサプライズも
クリスティーの紅茶やケーキの味はまさに絶品だが、加えて注目したいのが普通に使用されている食器の数々。
40年以上現役という食器の中にはアンティークの域に達しているものも少なくなく、店内で思わず感動の声を上げる人もいるのだとか。
今でこそ10代〜20代で賑わう街というイメージの強い原宿だが、かつては「20代〜30代の若者が多い場所だった」と、宮本さんは振り返る。
続けて「原宿はとても面白くて、とても良い街です。私はこれからも原宿の街を大事にしていきたいと思います」「若い方々だけでなく、大人が来てもホッとする場所を提供したいですね。中高生が来ても面白い、大人が来ても面白い、かつて原宿の街で青春を過ごした方々が帰ってきた時も、懐かしさと安心をお届けできる店でありたいと思います」と、感慨深そうな表情で語ってくれた。
初めて訪れた人でも、自然と懐かしさを感じてしまうのがクリスティーの魅力。来店の際は、ぜひその暖かさを体感してみてほしい。
【店舗詳細】
「CHRISTIE(クリスティー) 原宿本店」
東京都渋谷区神宮前1丁目16−1
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(取材・文/しらべぇ編集部・秋山 はじめ)