神戸の女子トイレ、個室に意味深なメッセージが… 「全国で置いてほしい」と話題
神戸市の女子トイレにて、何やら変わったトイレットペーパーを発見。その内容に、感動の声が相次いでいるのだ。
■「設置の理由」に納得と共に感動…!
今日ショッピングモールのお手洗いに入ったらトイレットペーパーがこれやったんやけど、すごい名案じゃない?!DV受けてる人が一人になれるところってお手洗いくらいしかなさそうだし、スマホで検索なんかしてたらチェックされてさらにDV受けそうだし。これで救われる人がいますように… pic.twitter.com/L4zjPgWgvj
— ohirune_sakk0 (@sakk0_zzz) November 10, 2021
まず、ツイート投稿主であるohirune_sakk0さんに発見時の様子を聞くと、こちらのトイレットペーパーは兵庫県神戸市の某ショッピングモール内の女子トイレにて見つけたものであると判明。
ohirune_sakk0さんは発見時の感想について、「今までにない斬新な広告だなと思いました。子供と一緒に個室に入ったのですが、子供がすぐに見つけたくらいですので、誰の目にも止まるだろうと」「設置場所、書いてある内容など、伝えたい人に伝わるものになっており、これは良い取り組みだなと感じました」と、振り返っている。
神戸市のねらいも、まさにそこにあるようで、相談支援担当者は「神戸市では毎年11月に、女性に対する暴力をなくす運動(パープルリボンキャンペーン)として、DV防止のための啓発活動を行なっています」「平成29年度より、トイレの個室という加害者の目の届かないところで広く広報啓発を行なうことを目的として、DV防止啓発のためのトイレットペーパーの設置を始めました」と、設置までの経緯を説明してくれた。
前述の通りDV被害者の中には「自分がDVを受けている」という自覚がないまま、我慢して苦しんでいる人々もいるため、件のトイレットペーパーには「そうした人々にDVのことに気付いてもらい、専門機関に相談する勇気を持ってもらいたい」という思いが込められているのだ。
なお今年は大丸神戸店、ダイエー神戸三宮店、イオンスタイル神戸南店、イオンスタイルumie店にて設置されていたという。
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■日本のDVの現状に驚き…
続いては、神戸市の今回の取り組みが、どれだけ重大なものであるかを考えてみたい。
内閣府男女共同参画局の発表によると、パートナーのいる人物の約4人に1人は「配偶者から暴力を受けたことがある」と回答しており、中でも女性は約10人に1人が「何度も受けている」と回答していることが判明。DVには様々な種類があるが、「身体的暴行」「心理的攻撃」「経済的圧迫」「性的強要」のいずれの行為でも、女性の方が被害経験者の割合が高いのが現状だ。
また、男女共にそうした被害を受けている人物が、そうした被害状況を周囲に相談しなかった理由に関しては、「相談するほどのことでは無いと思ったから」が最も多く、男性は過半数、女性も半数近くがそう回答している。
こうした背景を鑑みると、「トイレの個室」という一人きりになれる空間に件のトイレットペーパーを設置することが、どれだけ大きな意味を持ってくるかが感じられてくることだろう。
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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)