父の検索履歴、覗いた息子に衝撃走る…　トヨタの「粋な対応」が最高だった

■じつは30年前にお父さんは…

親父wwwGR86納車楽しみなのはわかったから俺のタブレットでYouTube見ないでwww pic.twitter.com/bBDQzFqSZL

— たけ@GR86納車待ち！ (@tk_car_life) January 19, 2022

今回の取材を快諾してくれたたけさんは、昨年12月に新車にスポーツカー（GR86）を購入したものの、「半導体不足」の影響もあり、現在は納車待ちの状態。納車時期は4月〜6月頃を予定しているという。

そんなある日、父がたけさんのタブレットを使用してYouTubeを眺めているのを見かけ、後から検索履歴を確認したところ、件の「GR86一色」となった履歴を発見。自分以上に納車を楽しみにしている父の様子を微笑ましく感じ、写真に収めてツイートを投稿したそうだ。

なお、たけさんに詳しい話を聞くと、「私の父は過去にスポーツカーに乗っていたりと車が好きで、今回のGR86購入には色々協力をしてくれまして、父もGR86の納車を楽しみにしているようでした」「父が最後に乗っていたスポーツカーは30年以上前、私の兄が生まれたのをきっかけに手放してしまったので、余程楽しみなんだなと思っています」という回答も見られた。

そうした背景を知ると、大きくなった息子の運転するスポーツカーに乗ることを、たけさんの父がどれだけ楽しみにしているかが伺えるというものであろう。

なお、その後発見されたGoogleの検索履歴にも「嫁とスポーツカー 外出」「スポーツカー 温泉 家族」「息子とドライブ gr86」などなど、家族愛を感じさせるキーワードがズラリと並んでおり、そのワクワクぶりに思わずほっこりとしてしまう。

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■微笑ましい姿を見て「トヨタ」も…

なお、たけさんの投稿はツイッターユーザーだけでなく、GR86を展開する「トヨタ自動車」にも感動を与えており、記者が同社に取材を依頼したところ、トヨタはこれを快諾。自社製品はもちろん、ユーザーに対する愛情あふれるコメントを、書面にてたっぷりと回答してくれたのだ。

まずはGR86の詳細について聞くと、同社担当者は「『スポーツカーを持つ夢や、走る楽しさをお届けしたい』という思いから、『株式会社 SUBARU』（当時の社名： 富士重工業株式会社）」と『86』を共同開発しました」「2012 年の発売後も、様々なモータースポーツに参戦して技術を磨き、SUBARUと共にもっといいクルマづくりへ取り組んだ結果、皆様に愛して頂いた『86』は『GR86』へと生まれ変わりました」と、その誕生経緯を語ってくれた。

GR86の魅力については「ドライバーの意のままに操れる“手の内感”」「キビキビした走り」を筆頭に挙げており、「参加型モータースポーツのベース車としてお使い頂くほか、カスタマイズしてオンリーワンのGR86をお楽しみ頂くなど『ドライバーの相棒のようなクルマ』として、変わらずご愛用頂いています」と、コメントしている。

なお、たけさんの父の検索履歴には「納車時期」に関するキーワードも見られたのだが、前述の通り、昨今は車業界も「半導体不足」の影響を受けているのが現状。

こうした事情をめぐり、担当者からは「長納期により、お待ち頂いているお客様にご迷惑をおかけしており、深くお詫び申し上げます」「1 日でも早くお客様のもとにクルマをお届けできるよう、最善を尽くしてまいります」というお詫びのコメントも見られたのだ。

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■開発責任者もニッコリ

微笑ましさと強い家族愛を感じさせるツイートを受け、「GAZOO Racing Company」のGR車両開発部・チーフエンジニアを務める末沢泰謙（すえざわ・やすのり）氏はまず初めに、「この度は GR86 をご成約頂きありがとうございます！」「長納期でお待たせしてしまい、誠に申し訳ございません」とコメント。

続いて「GR86は、SUBARUさんと、もっと良いクルマづくりに向けて切磋琢磨しながら、我々GAZOO Racing Company がモータースポーツ参戦を通じて学んだ技術を注ぎ込み、プロドライバーや社内のテストドライバーなど、様々な目線での走り込みによって磨き上げた車両です」と、開発までの経緯を振り返りつつ、「お父様ご関心の『あらゆる道での走行性能』や『マニュアルトランスミッションの操作感』も大幅に向上しており、たけ様やお父様の『新たな相棒』としてお迎えいただけることをGAZOO Racing Company一同、大変嬉しく思います」とも語っている。

たけさん一家のエピソードは、末沢氏の「心のエンジン」をも熱くさせており、「親子でお楽しみ頂けるクルマって、やっぱり良いですね。スポーツカーならでは、だと思います」「我々は、そんな『スポーツカーの魅力』をこれからも守り続けてまいります」という、ガッツあふれる意思表明も見られたのだ。

なお、たけさんの父の検索履歴は「いちクルマ好き」として末沢氏の琴線に強く触れたようで、末沢氏は「GRスポーツマフラーも装備くださったとのこと、ありがとうございます。あれ、とってもいい音ですよね！！」と、少年のように目を輝かせている様子が文面からヒシヒシ伝わってくるコメントと合わせ、「今後も、GR86と素敵なカーライフをお過ごし頂けますと幸いです」という粋なメッセージを寄せてくれた。

「検索履歴」ひとつとっても、今回のような素敵なエピソードが眠っているもの。たけさん一家の紡いだ温かい感情は、多くの人に感動を届けていることだろう。

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（取材・文／Sirabee 編集部・秋山 はじめ）