岸田文雄首相、ロシアへの追加制裁発表 石炭、ウォッカなど輸入禁止に
岸田文雄首相が8日夜、首相官邸で記者会見。5本柱からなるロシアへの追加制裁について発表した。
岸田文雄首相は8日夜、首相官邸で記者会見を開き、ウクライナに侵攻しているロシアに対する追加制裁について表明した。
■5本柱の追加制裁
岸田首相は会見冒頭で、キーウ近郊のブチャなどで行われたロシア軍による市民への虐殺行為について強くした非難した7日発表のG7首脳声明に言及し、それを踏まえた5つの柱からなる追加制裁を発表した。
①ロシアからの石炭の輸入を停止
②ロシアからの輸入禁止措置の導入
③ロシアへの新規投資を禁止
④金融制裁のさらなる強化
⑤資産凍結の対象のさらなる拡大
の5分野となる。
関連記事:三木谷会長、ウクライナ大統領との写真を公開 「本当に心が痛む」と訴え
■G7と足並み揃える
とくに石炭輸入禁止については、G7首脳声明にも具体的に述べられていることに触れた岸田首相。現在、石炭火力発電は総発電量の約3割を占めており、ロシアからの石炭輸入は原料炭・一般炭とも1割前後を占める。
そのため、再エネの活用など夏場に向けたエネルギー需給について積極的に取り組むとした。また輸入禁止措置は、機械類、一部の木材やウォッカなどにも及ぶ。資産凍結の拡大により、個人は550人以上、40以上の団体が凍結の対象となる。
関連記事:中川翔子、ロシア軍による民間人殺害の報道に憤り 「なんて恐ろしいことが…」
■価格高騰対策も月内に取りまとめ
さらに5本柱以外にも、ウクライナ国民や在留邦人への支援についても説明。ウクライナ避難民受け入れについては、ポーランドとの直行便の席を毎週政府が借り上げ、ウクライナ国民だけでなく、自力での航空券確保が困難な在留邦人についても利用できるとした。
また、ウクライナ侵攻も影響している価格高騰への対策については、エネルギー価格を安定させるため、日本としては初めて1,500万バレルの石油備蓄の放出を決定。これは、IEA割り当て量の1.5倍となる。国民生活への影響に対して、4月中に総合緊急対策を取りまとめるという。
・合わせて読みたい→杉村太蔵、G7のロシア経済制裁を疑問視 「大統領と国民を一緒にしていいのか」
(取材・文/Sirabee 編集部・タカハシマコト)