小2の我が子の算数テスト、模範解答が謎すぎる… 「理解できない」と親もギブアップ
子供の算数の宿題、丸付け中に回答を見ると…。親でも首を捻ってしまう内容に、疑問の声が寄せられているのだ。
■文部科学省の「発表」に驚き
小2の子供の冬休みの宿題解いてるけど、だいきもりくも○じゃないの?算数詳しい人教えて!拡散お願いします! pic.twitter.com/1wTukNm4ee
— わらじかずお✡️ (@psudoabarth) January 4, 2022
今回話題となった設問は「正進社」が発行する教材『きわめる! 2年 こくご さんすう』に収録されていたもの。
同教材は今年度で改定を行なう予定だそうで、該当する設問のページを変更する可能性もあるため、残念ながら設問に関する意図は明らかにならなかった。
なお、文部科学省が平成29年(2017年)より告示した「小学校学習指導要領」の「第2学年の内容」における「A 数と計算」の項では、こうした数式の表記法における「順序」の重要性について言及されており、「ここで述べた被乗数と乗数の順序は、『一つ分の大きさの幾つ分かに当たる大きさを求める』という日常生活などの問題の場面を式で表現する場合に大切にすべきことである」という表記が確認できる。
しかし式を求めるのでなく、かけ算(乗法)の「計算結果」を求める場合は数字の順番は問わないとされており、読んでもいまいちピンと来ないのが正直なところ…。
果たして文部科学省は、数式の「順序」における何をそこまで重要視しているのだろうか。
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■「噛み砕いた例え」に思わず納得
続いては「関数アーティスト」として活動し、過去にも「数学的なマスク」など多彩なアイデアで注目を集めていた東京大学大学院生・レオンさんに、前出の設問を確認してもらうことに。
学習塾でアルバイトをしていた経験があるレオンさんは、ひと目見ただけで出題者の「ひっかけ」にも似た意図に気づいたようで、「これは『りく』くんの問題が正になりますね」と難なく正解を導き出しつつ、「正直言って『よくない問題』だと思います」と苦笑いを見せたのだ。
こうした数式の「順序」に対し、正答や誤答を設けてしまうことに疑問を感じているというレオンさん。そのため自身も「順番にこだわらない派」ということを明言してくれたのだが、こうした「順序」が重要視されている点には、心当たりがあるという。
レオンさんは「ホットケーキの作り方」を例えとし、ホワイトボードにイラストを描いていく。左側にホットケーキミックス、牛乳、卵といった材料が描かれ、その右側には材料が「どれくらい」必要なのかが記されていったのだが…これらがかけ算と同じ「×」の記号で結ばれている点に注目したい。
こちらの例えを記し終えたレオンさんは「料理のレシピやレシートなどをイメージしてもらうと分かりやすいのですが『×』を使用して表現されるものは、基本的に左側に『項目』や『まとまっている物』が、右側に『変動する数値』が表記されるようになっています」「『スーパーマリオ』シリーズもそうですよね。マリオの残機や、コインの獲得数もそのように表示されています」と、非常に分かりやすい補足を入れてくれたのだ。
レオンさんは「『算数の問題』というよりは、社会生活を営む上で重要となってくる考え方を『算数の数式を通して伝える』という点が、義務教育としての目的だと思います」と結論づけている。
しかし前出の通り、レオンさん自身は数式の順序にこだわる問題を「よくない」と感じているため「テストに出題したとしても、減点の対象にすべきではないと思います」という持論も見せてくれたのだ。
確かに、設問の意図は理解できるのだが…半ば理不尽にも感じられる理由で「×」を付けられた児童が、算数に対する苦手意識を強めてしまうケースもじゅうぶんに考えられるだろう。
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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)