コスプレイヤーの股間を接写… それを勝手に販売する無法ローアングラーは裁けるか
コスプレ界で多発する撮影写真の無断販売。このトラブルについて弁護士の見解は…。
■コスプレイヤー引退も視野
彼女のTwitterフォロワーは約4万。会場では普段から交流するカメラマンから、初めて対面する一見(いちげん)のカメラマンまで幅広く撮影応対する。その数は一日で100人以上にも及ぶ。
生きがいは、コスプレを通じてアニメやゲームなど共通の趣味を語り、交流することだ。もちろん性欲の対象になるため活動を続けているわけではなく「露出系衣装はむしろ嫌いです。大好きなキャラになりきりたい」とAさん。
記者に「本当にショックで、掲載ページを見た時は震えました。いまはコスプレ引退も本気で考えています…」と吐露しつつ、現在は販売サイト側へ商品の削除依頼をかけているところだ。
関連記事:『コミケ99』コスプレ広場 ウマ娘、原神、エヴァの美女レイヤーに大行列
■カメラマン側にも権利が生じる
盗撮などの刑事事件を多く担当し、『犯人に告ぐ!盗聴盗撮 怒りの追跡バスターズ!!』(TBS系)にも出演してきたレイ法律事務所の河西邦剛弁護士に話を聞いた。
河西氏はこの問題を追及する前提として、まず撮影における「権利」について解説する。
「2つの権利が問題になり、ひとつはAさん自身の肖像権。もうひとつは写真の著作権。写真の著作権はカメラマンにあるので、ネット販売がAさんの肖像権を侵害しているかどうかが問題となります。
そもそも肖像権というのは明確に法律に規定されている権利ではなく、過去の複数の裁判例を通じて認められてきたもの。ですので、肖像権を侵害としたとしてもそれだけでは犯罪になるわけではないのが現状」(河西弁護士)。