怒声あがる上島竜兵さん“自宅中継”騒動 同じ体験をした「遺族」はどう見たか
上島竜兵さんが亡くなって間もなく一ヶ月。とある女優の母を亡くした遺族は、過激化した報道をどう見たのか。
■同体験をした「遺族」は…
「それが記者さんのお仕事だとは思っていますが、遺族としては本当に辛い期間。その上、葬儀の手続きや関係各位への連絡で大忙しだと思うので、そっとしておいてあげてほしいのが私の気持ちです」。
20数年前、女優の母を亡くした60代女性は、今回の騒動を見て「心が傷みました」と吐露する。彼女の母は黒澤作品などに出演してきた昭和中期のスター女優だ。
「私の時は、亡くなった翌日に自宅で通夜を行いました。その日に報道が始まり、全テレビ局のカメラクルーが実家前に殺到。家に入ろうとすると記者に次々声を掛けられるので嫌でした。俳優さん、女優さん、映画監督さんらもいたので…。
ご近所さんにも『ご迷惑おかけします』と電話し、小学生だった甥っ子を裏の勝手口からこっそり入れた記憶があります」(60代女性)。
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■意外な一面
その頃は東海林のり子をはじめ、すでに鬼籍に入っている梨元勝さんら手練の芸能レポーターが大活躍していた時代。女性は当時、意外なことがあったとも話す。
「通夜の日、22時過ぎにすべての参列者が帰られたんです。やっと長い一日が終わったと思っていたら、レポーターの皆さんが集合して玄関前で待っている。雨が降る中、ずっと待たれていたのでした。
カメラも照明もマイクもない状態で、『本当にご愁傷さまでした。お騒がせして申し訳ありません』とお声を掛けて頂きました。その後、母のため順番にお焼香をして、足早にお帰りになられました。もちろん取材のためのヒアリングなんかは一切なく。レポーターさんたちの人間味を初めて知ったタイミングで、心が急に落ち着いた思い出があります」(60代女性)。
その時、一団の一人だった東海林は「くちなしの花がお好きと伺っていましたので…」と、事前に用意した花をもってきてくれたという。
「今と昔では取材のやり方も違うと思います。上島さんが亡くなられたことと、私の母が病気で急死したケースも違う。ただ遺族が受けるショックは重なる部分もあるはずです。今回もきっとそんなカメラに映らない気遣いがあったと信じたい。どうか一日も早く、上島さんのご親族に心安らかな日々が訪れることを祈っています」(60代女性)。
・いのちの電話
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(取材・文/Sirabee 編集部・キモカメコ 佐藤)