悪化する一途の日中関係 欧米とタッグ組む日本は「後戻り」不可能か…
激化する中国と日本の関係。G7先進国を対象にした調査では過半数が「中国を協力相手でなく脅威」との回答も。
6月、ある調査結果が明らかになった。国際的な安全保障会議である「ミュンヘン安全保障会議(MSC)」は6月下旬、G7先進国の市民7,000人を対象に行った調査結果を発表。
その中で「中国を協力相手でなく脅威」とみる市民が各国で過半数を超え、イタリアを除く6ヶ国では、「今回ロシアに対峙しなければ中国の台湾侵攻リスクが高まる」と回答した市民が半数を超えた。
新型コロナウイルスの真相解明やウイグル人権問題、中露接近などにより、欧米各国でも中国への警戒感が強まってきたが、今回市民の間でも同様の認識が拡がっていることが分かった。
■日中関係の冷え込み
先進国の中でも中国への警戒感が最も強いのが日本だ。岸田政権は発足してから米国との関係を重視し、日米同盟やクアッド(日本米国インドオーストラリアで構成される)という協力を駆使することで中国に対抗しようとしている。
それによって、今日、日中関係は冷え込んでいる。中国外務省の報道官は21日、中国が東シナ海の日中中間線付近で続けるガス田掘削のための新たな海洋プラットフォームの設置を日本が非難したことに対し、中国は自らの主権の範囲内で行っており日本に非難する資格はないと強く反発した。
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■中国の日本に対する不満
中国も日本が米国とタッグを組んで対抗してくることに苛立ちや不満を積もらせており、今後日本に対して経済制裁を課してきても不思議ではない。
2005年の小泉純一郎元首相の靖国参拝、2012年の尖閣諸島国有化の際、中国では現地の日本企業の工場や事務所が破壊、略奪の被害に遭い、冷蔵庫や洗濯機など日常生活に欠かせない材料レアアースの対日輸出制限に踏み切った。