駐車場で発掘された謎のマシン、よく見ると… アラサー号泣の正体が「エモの極み」すぎる
とある駐車場から発掘された謎の物体。その「エモすぎる正体」に、アラサー世代から感動の声が相次いでいるのだ。
■これもう映画化できるのでは…
太陽模型の駐車場。その片隅にあったコンテナが撤去されて発掘されたものwww pic.twitter.com/8QZWzESlt6
— けら (@penipeniykkri) June 22, 2022
ある日、千葉県君津市にある行きつけの模型店(ホビーショップ)を訪れたけらさん。同店には近隣の店舗と共有している駐車場があり、そちらの店舗が使用していたコンテナが撤去され、その跡地で件のミニ四駆を発見したのだ。
自身もミニ四駆を愛好するけらさんだが、俗にいう「第一次ミニ四駆ブーム世代」のため、第二次ブームのマシンであるこちらのミニ四駆には思い入れがなく、当初は捨ててしまうことを考えていたのだが…なんと、けらさんのツイートにタミヤ公式のミニ四駆アカウントが反応。「ト、トライダガァァァァァァー!!」と雄叫びを上げ、「できれば大切に扱ってあげてください…」というリプライを寄せていたのだ。
けらさんはその際の心境について「タミヤ様からのコメントから、メーカーの『物を売るだけではない』という思いを強く感じ、レストア(復元)することを決意しました」と振り返っている。
トライダガーXが走ったよー(゚∀゚)
タイヤを両面テープで貼り忘れたから途中でタイヤ抜けてるけど動いてるから大丈夫!#mini4wd https://t.co/ZysSL1E0hF pic.twitter.com/yRhYTQOubh— けら (@penipeniykkri) June 29, 2022
そしてマシンの発見から数日を経て、けらさんはミニ四駆のレストアに見事成功。発見時はもう二度と走れないのでは…と危ぶまれたマシンは、コース内を元気に爆走できるほどの復活劇を遂げたのだった。
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■そもそもこのマシンの正体は…?
なお、けらさんが今回発見したミニ四駆は『トライダガーX』(以下、トライダガー)という名のマシンで、初回発売は1994年11月。アラサー世代の記者は、この「トライダガー」という単語を目にするだけで興奮が抑えられないのだが、同マシンの魅力について簡単に説明したい。
トライダガーは漫画『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』に登場するミニ四駆で、黒と燃え上がる炎のような赤を基調とした配色と、その名の通りボディ中央部分を絞り込んだXフォルムが特徴。作中ではダウンフォースを利用して壁を走行する「壁走り」を得意としており、豪快かつ冷静な走りで全国のミニ四レーサーたちから高い人気を博していた。
またトライダガーの魅力を語る上では、やはり使用者・鷹羽リョウについて触れないわけにはいかないだろう。トライダガーのボディのクールな黒と情熱の赤にはリョウの人間性が如実に現れており、普段は冷静沈着だが、レースになると熱くなる性格のリョウ。
ぶっきらぼうで上から目線な言動が多く見られるも、ライバルとのレースに対する正々堂々な姿勢は「真摯」のひと言で、弟の二郎丸の前では強く優しい良き兄である。余談だが記者と同世代の読者の多くは、やはり「あんちゃん」という単語を目にすると、反射的にリョウの顔(二郎丸の声)が頭に浮かんでくるはず。
そんなトライダガーが土中で発見されて今も元気に走り回っているワケだが、ミニ四駆の耐久力はそこまで頑丈なものなのだろうか。タミヤにその旨を尋ねると、ツイッター担当者からは「推測の域を出ませんが、土中にあったため日光に当たる事がなく、温度の変化や水や衝撃など、樹脂部品の経年劣化に繋がる原因から影響を受けなかったことが、最大で四半世紀ものあいだ原型を保っていられた理由ではないかと思います」という回答が。
なお、マシンのレストアには様々なコツやテクニックが存在するのだが、担当者は「ただやはり、最も大切なのはマシンへの深い愛情だと思います。これはマジです」と、ミニ四レーサーの魂を鼓舞するが如き、熱いコメントを寄せてくれたのだ。
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■「ミニ四駆」はホビーであり人生
現役のミニ四レーサーはもちろん、かつてミニ四レーサーだった人々の心をも熱くしてくれた一連のエピソード。
タミヤの担当者も「マシンの発掘と丁寧なレストア作業をしてくださったけら様、今回の一連のツイートを盛り上げ、見守ってくださったフォロワーの皆様に大変感謝しています。ボロボロのマシンがミニ四駆として立派な姿に復活した姿を見て、このトライダガーXの物語に感動致しました」「元の持ち主様に、何とかこの話題が届かないだろうか…とも思っています」と、胸の内を語る。
そして最後に「ミニ四駆は、改造やチューンナップ、ドレスアップをすることで世界に一台の愛車となり、深い愛情が沸くものだと思います。今、皆様のお手元にある愛車やパーツ達をどうぞ大切に扱ってあげてくださいね」とも呼びかけていたのだ。
長らくミニ四駆から離れていた人も、これを機にかつての相棒たちへ会いに行ってみてはいかがだろうか。
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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)