ロシア・ウクライナ戦争で拡がる世界的な物価高 各国で治安悪化の恐れも…
ロシア・ウクライナ戦争の影響で深刻化する「価格上昇」問題。日本でも食品やエネルギーなど値上げドミノが止まらない。
■治安悪化の恐れも…
一方、欧州のベルギーや英国などでも物価高に反発する市民による抗議集会が発生し、中には空港職員や鉄道職員がストライキに踏み切るなど、ロシア・ウクライナ戦争は日常生活にも甚大な影響を与えている。
日本でも食品やエネルギーなど値上げドミノが止まらない。諸外国と比べると値上げ幅が大きくないことから、衝突や略奪など危険な事態は生じていないが、今後海外に渡航する人にとっては大きなリスクとなる。
ロシアもウクライナも世界有数の小麦輸出国で、中東やアフリカの多く国はロシア産やウクライナ産小麦に依存しているが、その小麦は主食の原材料になることから、それが安定的に輸入できなくなれば治安の悪化は避けられない。
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■問題は長期化
冒頭に述べたように、この問題は長期化する。たとえ軍事力を使った戦いは終わったとしても、経済貿易の領域での戦いは続くことになる。
経済貿易面での不安定が長期すれば、途上国での混乱はさらにヒートアップする恐れがある。世界各国での物価高の長期化は国内の治安を悪化させる可能性が大であり、今後海外へ渡航しようとする日本人にとっては大きな脅威だろう。
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(取材・文/Sirabee 編集部・セレソン 田中)