スーパーで出会った豆腐、どう見てもおかしい… 人類には早すぎた「6文字」が話題に
ある日、スーパーの豆腐コーナーで思わず目を疑うパッケージを発見。あまりの「逆転の発想」が大きな話題となっているのだ。
■商品開発の経緯がエモすぎる…
ワイはついていけるだろうか、この世界のスピードに pic.twitter.com/YJLBgDkLhL
— 田丸浩史 (@tamaruhiroshi) June 5, 2022
今回の取材に快く応じてくれたのは、ふじや食品の「商品企画開発室」担当者。
件のぶっ飛んだ商品誕生の経緯について尋ねてみると、担当者は「精進料理のイメージがある『胡麻どうふ』は家庭料理としては馴染みが薄いものとなります」「胡麻どうふは大豆からつくられたお豆腐とは全く別物で、ねり胡麻をくず粉で固めた料理で、当社の地元・福井県にある永平寺でも欠かせない料理となっています」と、まず胡麻どうふに対する知見を語ってくれたのだ。
多くの人にとって決して身近な存在とは言い難い胡麻どうふだが、胡麻は体に良い成分が豊富な食品である。そこで同社は「ヘルシーで美味しい胡麻どうふを全国の家庭に、もっと多くの人に広めていきたい」という思いから、スイーツ系の胡麻どうふシリーズの開発に着手することを決意。
その後、2018年9月には第一弾となる「くるみ胡麻どうふ」が発売され、同商品の好評を受けて本格的なシリーズ展開が実施されていったのだ。
そして時は流れ、新たに夏限定商品の開発をするにあたり社内会議を実施したところ、ついに「チョコミント胡麻どうふ」の名が登場。
担当者は「好き嫌いがはっきり分かれますが、夏らしいフレーバーでもあり、好きな人には話題にしてもらえると直感しました」と振り返っているが、やはり企画段階では開発に疑問の声も少なからず上がっていたという。
しかしそうした状況にありながら、開発チームだけでなく役員の中にも一定数のチョコミント好きがいたことが、商品化決定の後押しとなったのだから、「チョコミン党員」の絆の強さが感じられる、じつに熱いエピソードではないだろうか。
商品化に当たってのターゲットについてはもちろん、「性別年齢問わず、チョコミントをこよなく愛する、いわゆる『チョコミン党』の方たち」とのことだ。
関連記事:「豆腐」売れ筋ランキング 晩酌のお供や小腹が空いたときに食べたい
■胡麻どうふもチョコミントも愛した企業
同シリーズは、スーパーでは豆腐などの副菜と同じ売り場で展開されるケースが多いが、前述の通り「スイーツ」として食後のデザートやコーヒータイム、ティータイムなどを想定して製造されたものである。
ふじや食品担当者も「よく冷やしてそのままお召し上がりください。生クリームを乗せたり、クッキーに挟んだりすることで、よりスイーツ感がアップします」と、アドバイスを寄せていたのだ。
また、今回「チョコミント胡麻どうふ」が大きな話題となったことに対しては「アイスクリームやお菓子においてはチョコミント味は今や夏の定番となっておりますが、胡麻どうふはそこまで大きなカテゴリーではございません。ある程度の反響は期待していたものの、ここまで反響が大きくなることは想定外でして、これだけ話題にして頂きありがたく思っております」と、笑顔を見せる。
続けて「チョコとミントと胡麻ってどんな味? と面食らうのはごもっともですが、ゲテモノ的な商品ではなく『ちゃんと美味しい』を目指して真面目に作った商品なので、安心してお試しください」「ねり白胡麻は黒胡麻や金胡麻と違い、上品で優しい風味があり、コクだしとして料理の隠し味にも使われます。スイーツとしても、濃厚感や複雑な味わいを決して主張しすぎず、醸し出してくれます」と、商品の魅力を熱く語ってくれたのだ。
さらに「SNSでは大豆からつくられたお豆腐をイメージされている方もいらっしゃり、胡麻どうふの認知度がまだまだ低いことの表れだと思っております」とも分析しており、胡麻どうふの認知度向上を目指した、さらなる企業努力が期待できそうだ。
最後に「当社は胡麻どうふ以外にも、玉子どうふ、茶碗蒸し、ワンタン、グラタンなど食卓の一品として手軽に調理できるチルド製品を和洋中問わず製造しております。ぜひ『チョコミント胡麻どうふ』をきっかけに、シリーズの他製品や、ベーシックな胡麻どうふ、さらにはその他製品にも興味をもって頂けたら大変嬉しいです」「『スイーツ系胡麻どうふ』の、新フレーバーにも期待していてください」というコメントも得られたので、スーパーを訪れた際はぜひ同シリーズを隈なくチェックしておきたい。
・合わせて読みたい→ココス、チョコミン党のためのフェアを実施 昨年よりパワーアップして最高…
(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)