犠牲者多数の熱海土石流から1年 被災地の復興はまだら模様に
昨年7月3日に起きた熱海伊豆山地区の土石流。多くの道路は復旧したものの住民の避難生活は続いている。
昨年7月3日午前に熱海市伊豆山(いずさん)地区で発生した大規模な土石流被害から、約1年が経過した。低気圧に伴う記録的な大雨で、逢初川上流の盛土が崩落し、災害関連死を含む27人が命を落とし、現在も1人が行方不明のままとなっている。
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■被害直後との比較
被災地の復旧・復興は、1年たった今もまだら模様だ。被災直後は車両通行止めとなっていた県道135号線は、被害が大きかった逢初橋付近を含めて、生活道路として復旧している。
しかし、道路は復旧したものの被害が大きかった地区は、立入禁止の状態。土砂やがれきは撤去されたが、建物は割れたガラスをベニヤ板などで補強され、無人のまま残っている。
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■大河ドラマでも注目の伊豆山神社
源頼朝・北条政子の腰掛石などがあり、今年のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』にも縁がある伊豆山神社。逢初橋は、かつては伊豆山神社に近い山側にあり、頼朝と政子がここで逢い引きしたという伝説も。
神社前の道は、下を通る県道135号より遅れて開通した。縁結びのパワースポットとして以前から尊崇を集める神社で、観光客の姿も見られた。しかし、もし土石流がなければさらに多くの観光客が訪れ、地元も賑わいを見せていたはずだ。
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■被害者は県と市を提訴
伊豆山神社入り口前の建物には、土石流やその原因となった盛土の問題を報じた新聞記事の切り抜きが所狭しと掲示されている。3日には、犠牲者遺族と被害者からなる「被害者の会」の一部が記者会見を開き、静岡県と熱海市を提訴する方針も発表。
なぜ、ここまで甚大な被害となったのか。行政や業者にはどのような問題と責任があったのか。避難生活も続くなか、悲劇を繰り返さないための検証が待たれる。
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(取材・文/Sirabee 編集部・タカハシマコト)