参院選『選挙特番』太田光が奏功し、橋下徹氏が振るわなかった理由 論客型の台頭
各局の選挙特番にそれぞれ出演した太田光と橋下徹氏。両者の明暗について考察する。
■橋下氏 vs 山本太郎代表
しかし、太田が大人しかった分、SNSで最も話題を集めたのは、橋下氏とれいわ新選組の山本太郎代表の問答だろう。橋下氏は山本代表に「国債を際限なく発行できるのか、その上限とは」との質問をする。
なお、このやりとりは、じつは前回の太田と山本代表とのやりとりで、より詳しく行われていたものである。何より注目されたのは、橋下大阪市政における震災がれきの受け入れに対する当時の山本代表による「猛反対」をめぐる問答であった。
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■SNSと世間の関係の複雑さ
橋下氏は山本代表との個人的な経験に基づく批判に転じた。その点においては、確かに本質的な問いとなりうるかは疑問にもなる。相変わらず、SNSの反応は一方的な山本支持にわくもので、大いに疑問は残るだろう。
とはいえ、今回もれいわ新選組の快進撃があったともいえず、SNSの反応はごく一部なものに過ぎなかった。
■話題を呼ぶ論客型選挙特番
結局のところ、話題を呼んでいる選挙特番は、太田や橋下といった話題性ある論客が政治家と主張をぶつけ合うものとなっている。太田による選挙特番は、重要な個人視聴率を確実に上げた。
『Live選挙サンデー』の視聴率低下は、同属性の視聴者をTBSが奪ったと評価できるのかもしれない。他にも橋下氏へのマイナス評価などさまざまに解釈は可能ではあるが、述べてきた通り個人視聴率や話題性からして、それほど悲観的な結果ではないと思われる。
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(文/メディア評論家・宮室 信洋)