熱海土石流で被災した老舗製麺所 クラファン活用の新工場で新たな挑戦を聞いた
昨年の土石流で大きな被害を受けた製麺所が、クラウドファンディングも活用して移転・再建。新工場で話を聞いた。
■再建には紆余曲折
クラウドファンディングまでは順調だったものの、その後は紆余曲折も。当初、熱海から伊東線で2駅先の伊豆多賀駅近くにある廃校となった小学校を借りる計画が進む。
給食室もあって条件はぴったりだったものの、用途地域の制限で工場としては使用できないことが判明。昨年11月まで進めてきた計画が一旦頓挫してしまった。
その後、なるべく早く再開できる土地を探したところ、上多賀地区で今の場所が見つかり、この7月にようやく新工場が完成。16日から操業を再開している。
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■使いやすい工夫も
規模は以前の1/3程度になり、自宅からは自動車で通わなければならなくなったが、別荘なども手掛けているという秀人さんの知り合いの建築家が設計した新工場は、洗練されているだけでなく、便利な工夫も。
製麺工場と事務所の間の吹き抜けに屋根があることで、悪天候の際も麺を濡らさずに車に積み込むことができる。背後の森に抜ける借景は、一幅の絵画のようだ。
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■一般小売にも挑戦
新工場での製麺も始まったコマツ屋製麺所だが、「ようやく第一歩に立ったところです」と茉子さん。組み立てた製麺機は少しずつ微調整していかないと、元通りの太さや歯ごたえを再現できないのだという。
一方、クラウドファンディングには納品先のラーメン店や同業の製麺所などからの支援も。全国のサポーターとつながった機会を活かし、これまでは業務用卸だけだった麺の一般小売販売も。まずは、工場での手売りからスタートした。
新しいロゴマークは、真唯さん・茉子さん姉妹が考えた。扇と麺をイメージしたものだ。茉子さんも勤めていた職場を辞め、家業に参画。今や家族4人で熱海の明日につながる麺を作っている。
【コマツ屋製麺所】
住所:静岡県熱海市上多賀1046-18
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(取材・文/Sirabee 編集部・タカハシマコト)