奈良県の自販機、売ってる物が明らかにおかしい 「ウソだろ…」と戸惑いの声も
奈良県のとある町に設置された自販機、そのラインナップが明らかにおかしいと話題になっているようで…。
■注目したポイントがまず面白い
広陵町の自販機、ジュースと一緒にくつ下売ってるんやがwwwww pic.twitter.com/1q9X7nGuQf
— 卑屈な奈良県民bot🦌 (@nntnarabot) July 15, 2022
前述の通り件の自販機は広陵町の役場内に設置されており、奈良県民botさんも奈良のローカルニュースを受けて存在自体は知っていたそう。
しかし「百聞は一見に如かず」と言うべきか、実際に自販機を見たところそのシュールさが気に入ったようで「靴下専用の自販機ではなく、飲み物と一緒に売られている点が特にポイント高いですね。私が見たときは地味に売り切れている靴下もあり、謎の人気に笑いました」というコメントを寄せてくれたのだ。
なお、奈良県民botさんも広陵町について発言する際は「靴下の町」というフレーズを使用している。
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■自販機「爆誕」の経緯に納得
続いて同役場の産業総合支援課に詳しい話を聞くと、つい先月の6月上旬より、広陵町内の公共施設に靴下販売を伴う清涼飲料自動販売機(以下「靴下自動販売機」)の設置が行なわれていることが判明。
担当者は設置した経緯について「広陵町は地場産業として靴下製造が盛んで、全国の自治体で生産量No.1を誇ります。また長期に渡り、誰もが知る国内外の有名ブランドの靴下をOEMで製造してきた技術とノウハウの蓄積により、品質の高い靴下を製造できる事業者が集積しています」と前置きしつつ、「靴下自動販売機は、こうした高品質な広陵町の靴下産業をPRする目的で、DyDo社とのタイアップによりお菓子等の販売が可能な機種を用いることで設置に至りました」と振り返っている。
気になる販売靴下の詳細だが、現在は「広陵靴下組合」が毎年実施している「靴下デザインコンテスト」の入賞作を、町内の靴下事業者が製品化したものを展開(1個500円)しているそう。
担当者からは「おかげさまで、大きな反響を頂いておりますので、今後も皆さまに喜んで頂ける企画を行なっていきたいと考えております」という笑顔のコメントも見られたのだ。なお現在、同自販機は町内8ヶ所に設置されており、今後も随時設置台数を増やしていく予定とのこと。
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■この町、靴下への愛情がガチすぎる…
広陵町における「靴下」の歴史は非常に長く、明治43年(1910年)に手回し式の編立機を導入した靴下工場が作られ、ここから「靴下の町」の快進撃が始まっていったのだ。
工場建設後は編立機の技術を学んだ農家が農閑期で行なう副業として「靴下づくり」が広まり、戦後の需要拡大によって飛躍的に同産業が発展していく。近年ではOEM製造はピーク時より減っているようだが、担当者は「これまで培ってきた技術を活かし、履いた人が思わず感動する高品質なオリジナル靴下を販売するファクトリーブランドの立ち上げが盛んになっています」とも補足している。
また2021年には靴下の歴史を知り、独自ブランドの靴下を実際に手に取って購入できる施設として「広陵くつした博物館」を開設しており、勿論ふるさと納税での人気返礼品は「靴下」だという。
なお、件の自販機が広く注目を集めるきっかけとなったのは奈良県民botさんのツイート投稿だが、今回取材に応じてくれた広陵町の担当者は以前より同アカウントをフォローしていた「ファン」であったことが判明。
「今回のことで、広陵町の靴下を知って頂けた方も多いと思います。奈良県を代表する面白ツイッターアカウントさまのお陰で、当町の取り組みが広がり、担当者一同とても嬉しく思っています」という、なんとも微笑ましいコメントを寄せてくれたのだ。
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— 卑屈な奈良県民bot🦌 (@nntnarabot) January 30, 2021
続けて「靴下は、足元を支える大切な肌着です。少しだけ贅沢をして、履き心地の良い靴下を履くだけで、日常が快適になり、仕事や生活のモチベーションも上がります。広陵町の靴下が、1人でも多くの方の生活を豊かにすることができれば嬉しいです!」と、まさに「縁の下の力持ち」な靴下の魅力についても力説している。
日々の生活を送る上で決して欠かせない靴下。その聖地である広陵町の逸品を、ぜひその目(足)で確かめてみてほしい。
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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)