熱中症で倒れた女性 「つながらない119番」「タクシー乗車拒否」でどうすれば…
歩道に横たわる「熱中症」疑いの女性。その現場で感じたことを克明に記したい。
■タクシーには乗車拒否
記者は購入していた冷たいスポーツドリンクを女性に差し出した後、スーパーへ走り事情を話すと、気転を利かせた女性スタッフが大量の保冷剤をくれた。現場に戻り、それを女性の脇の下、首元、うなじ付近に当てる。
幸運なことに、どうにか日陰で座る体制がとれるまで回復してきた女性。幾分顔色がよくなっている。本当はクーラーが効いている所まで運びたいが、まだしっかり歩くのは難しそう。スマホでタクシーを呼び、病院に行くことを薦めたが、5分後、到着した個人タクシーのドライバーには「この状況はまずい。コロナかもしれないし、車内で意識失ったとしても責任が持てない」と乗車拒否されてしまった。
そうこうしているうちに電話が災害救急情報センターに繋がったが「要請が多発しており、到着まで約30分かかる」との返答。救急医療現場のひっ迫した現状を初めて痛感した瞬間だった。
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■ネットにも「救急車こない」の声
タクシーを再び呼んで病院まで同伴することも考えたが、「元気になられてきたので、とりあえず私達でどうにか対応します」と介抱を続ける主婦グループに提案され、記者は後ろ髪引かれる思いで現場を後にした。
色々なことを考えさせられた今回の体験。新型コロナの大流行、そして連日の猛暑もあり、珍しい状況ではないかもしれない。ネットには記者同様、「119電話したけど永遠につながらないかと思ったよ…」「救急車こない事態がすでに起こっている」と嘆く声が7月後半以降特に多かった。
そんな状況下、応急処置の知識がないと本当に現場で右往左往してしまう。帰宅後、すぐ厚生労働省が公開している資料「熱中症が疑われる人を見かけたら」を確認した。今回の対応に大きい間違いはなかったが、「経口補水液、食塩水の補給」「エアコンが効いている室内へ避難させる」「服をゆるめる」、さらには首、脇の下に加え「太ももの付け根」を冷やすことがさらに必要だと知った。
自身が熱中症にかかった場合、今回のよう第三者を介抱する場合にも、対応策をしっかり熟知しておくことが必要なのだ。
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(取材・文/Sirabee 編集部・キモカメコ 佐藤)