「コミケ」サークル運営めぐりネットで物議 “売り子”はどうあるべきか
無事閉幕したコミケ100。その裏側で、「売り子」にまつわるとある騒動が…。
■ベテランの同人作家はどう見たか
今回のトラブルは、同人活動におけるモラル、サークル運営のあり方を改めて考えさせる問題提起にもなった。
これまで『下流オタク老後破綻論』『ビジネス勧誘のひみつ』『弱者の麻婆豆腐』など、ユニークな評論・研究テーマで同人活動を続けてきた、同人歴25年のベテラン・町田メガネ氏は今回の件についてこう分析する。
「見えた情報では、10:0でサークル主の責任だと思っています。未成年の考えや姿勢がどのようなものであろうと、未成年に責任を持たせるものではありません。このサークル主は未成年を売り子に迎えるにあたってその保護者(一般には親御さん)と、しっかり連携を取ったのかが大変気になる情報で続報に注目しています」(町田メガネ氏)。
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■サークルのブランディングに
冒頭の写真は今回のコミケ100における町田氏のブース。ワンピースの私服で売り子を担当した女性には「撮影と撤収と(サークル主の)トイレ休憩以外はほとんど遊びに行っていて良い」とお願いしていた。町田氏は、売り子への配慮がサークルの未来に繋がるとも説く。
「サークル運営をする際、『また次回もこのサークルで売り子がしたい』『もしも周囲で売り子をしたい人がいたらこのサークルを真っ先に紹介したい』──。売り子さんには、この気持ちになってコミケを終える事を常に意識しています。これは、『売り子さんの為に』というカッコつけではなく、そういう姿勢と行動を取ることがサークルのブランディングに繋がると考えているためで、サークル主の利益として当然そうあるべきと考えています」(町田氏)。
一方で、今回の騒動で同人誌業界における人間関係の難しさが強調されることも危惧する。
「コミケに興味があり、サークルの売り子で初めて参加するという人であれば尚の事『またコミケに来たい!』と感じて貰えるように楽しみながら売り子が出来るよう心遣いする必要があると私は考えています。これからのコミケはチケット制が続き若年層の新規参入障壁が高くなると考えられますので、ベテランのサークル主はより若い方に優しくあれという態度であって欲しいです。コミケの持続性にささやかながらでも貢献できると思うからです」(町田氏)。
ネットには「双方に改善すべき点はあるし、それを次への経験にすれば良い」という温かい声も多く上がっている。サークル運営のさらなる発展につながるポイントが、今回の騒動から浮き彫りになった気がする。
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(取材・文/Sirabee 編集部・キモカメコ 佐藤)