運転中保護された高齢ドライバー、一体なぜ… 目を疑う「タイヤの状態」が話題に
奇妙な状態の車を運転する高齢者を警察が保護。タイヤ部分が、信じがたい状態になっており…。
■現場の状況がカオスすぎる…
【神埼警察署】
タイヤがパンクした状態で運転していた高齢の方を保護しました。
「気づかなかった」と説明されたため、今後の運転について御家族を交えて話し合いをしました。
扱い次第で車は凶器となり得ます。
体の異変や更新時期等、機会があれば運転免許返納について考えてみましょう。 pic.twitter.com/OePPsAKd91— 佐賀県警察 (@goroukun_spp) August 9, 2022
まずは車両発見時の様子について尋ねたところ、神埼警察署からは「タイヤがパンクしたままの車が走っているとの通報を受け、現場へ向かった警察官が、ツイッター投稿に添付した写真の状態の車を確認いたしました」との回答が。
その後は運転者の家族に迎えに来てもらい、車両の写真を示した上で「タイヤが外れる、という正に事故に直結する危険な状態であることに気づいていない」こと、そして「道に迷った」という発言を考慮して「今後の運転継続について家族でしっかりと話し合ってほしい」こと、の2点を伝えたのち、運転者の体調や日頃の生活状況を聴取し、交通事故防止に関する助言を行なったという。
また、ツイート投稿の経緯については「高齢者の身体機能の変化に伴う交通事故が社会問題となっている中で、高齢者自身だけではなく、その家族や行政等の関係者にも考える契機として頂きたいと思い、発信いたしました」と振り返っている。
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■「免許返納」の現状は…
運転者本人だけでなく、家族をはじめとする周囲の認識も重要となってくるのが運転免許の自主返納。
神埼警察署は「正しくは、申請による運転免許の取り消し申請になりますが」と前置きしつつ、佐賀県内における高齢者の免許自主返納はここ数年、3,000~4,000件の間で推移していると説明する。
返納の理由は様々だが、高齢者自身が加齢に伴う身体機能の低下を自覚して返納に至るケースや、家族からの勧めによって返納するケースなどが多いそう。
また「当県においては、日常生活の移動手段として車が大きな役割を果たしていることから、移動のための代替手段を確保することが課題となります」「このため運転免許の返納に際し、自治体や関係機関が実施しているバスやタクシーなどの割引等の制度を周知するほか、高齢者の家族の支援が重要であることについても呼びかけていきたい」と、今後の課題や展望についても補足している。
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■「高齢運転者」への様々な取り組みを実施
ちなみに佐賀県では2017年から「代理人による運転免許の取り消し申請」に関する制度を導入しており、時期的にはかなり早い段階からの実施となるそうだ。
こちらの取り組みを受け、県内の複数の自治体では高齢運転者の負担を軽減するため、自治体の職員がその「代理人」となって手続きをする制度も整っているというから興味深い。
他にも技能試験官同乗による「高齢運転者技能教習」の実施や、各警察署において高齢運転者の「安全運転相談」を受け付けていたりと、県全体で「より安全な交通環境」を育もうと注力していることが伺える。
取材の最後に、神埼警察署 担当者から「何より高齢ドライバーに関わらず、ハンドルを握る全てのドライバーが悲惨な交通事故の加害者にならないということはもとより、被害者にもならないよう気をつけて頂きたいです」「また交通事故は決して他人事ではなく、いつ、どこで起きるものかは分からないことを強く認識し、運転をして頂きたいです」というコメントが得られたのが、非常に印象的であった。
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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)