『キングオブコント2022』が賛否両論の理由 『お笑いの日』真の勝者は誰だ
様々な評価の『キングオブコント2022』で「最高の人間」「や団」「ランジャタイ」らに注目。
8日に、『キングオブコント2022』(TBS系)が開催され、「ビスケットブラザーズ」が優勝。今大会の特徴と、じつは多くの視聴者に評価されたネタを考察したい。
■多様性と普遍性の相克
『キングオブコント2022』は、ビスケットブラザーズが優勝。今大会の優勝者には、高く評価する声もあれば、優勝できなかったコンビを評価する声もあり、様々な評価がなされたようだ。
コメントにもあったように、昨年の空気階段のネタの洗練度を今大会も反映し、演技力やネタの構成力が平均的に上がっている影響もあるだろう。
また、コントは、『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)の漫才のようには型が存在せず、漫才以上にネタの幅が広い。共通する技術となると「演技力」になってしまい、後は好き嫌いが分かれやすくなってしまう。
実際に、一部の審査員の高評価により勝敗が決まったものも今回は多い。評価のばらつきは大きいほうだ。
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■「最高の人間」の濃密なコント
また今回はSNS上の評価は非常に高かったものの、惜しくも敗れてしまったコンビも多い。その筆頭が、岡野陽一と吉住のピン芸人同士のコンビ「最高の人間」。
それぞれのキャラをよく生かし、またピンネタでは表現しきれなかった吉住の演技力も光る。ブラックユーモアとドラマ性と、またドラマ性を脱臼させる笑い。
さらには、かつて、脳にメスを入れ精神疾患を治そうとした精神医学の闇の歴史を知っていれば、コントの社会性とブラックさも理解できる。しかしながら、もとはピン芸人2人という知名度の高さで上がっているハードルもあったのかもしれない。