プーチン大統領の暴走が止まらない 「核使用の可能性」を示唆も…
ウクライナの戦況はますますロシア劣勢に。プーチン大統領は打開策に核使用の可能性を示唆するなど、世界は第3次大戦の危機か。
ウクライナ侵攻から8ヶ月、ロシアの劣勢が顕著になるなか、ウラジーミル・プーチン大統領が暴走している。プーチン氏は先月21日、軍隊経験者や予備役を招集するため部分的動員令を発令した。
■国民を戦争に動員
部分的動員が発令されるとは、それだけウクライナでの戦況でロシア兵が足りなくなってきていることだが、ロシア国民の政権への怒りに再び火が付いている。
ロシア国内では反プーチン政権の抗議活動が広がり、多くのデモ参加者が逮捕、負傷している。また、動員を免れるため、今日までフィンランドやエストニア、ジョージアやカザフスタンなどに20万人以上のロシア人が脱出した。
国際社会からだけでなく、国内社会からもプーチン氏への批判が強まっている。
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■ウクライナの一部を勝手にロシアに併合
また、暴走はそれだけではない。プーチン氏は時を同じくして、ウクライナ東部南部のドネツク、ルハンシク、サボリージャ、ヘルソンの4州を併合した。
9月下旬、各州では住民投票が実施されたが、ドネツクではロシアへの編入賛成が99%、ルハンシクでは98%になったというが、一般的な選挙結果ではほぼあり得ないもので、そこに自由や人権があったとは言い難い。今後、プーチン氏は4州の公用語をロシア語にするなどロシア化を強制していくと思われる。
また、上記の部分的動員でも4州がロシアになったことから、今後4州に住むウクライナ人がロシア軍に動員され、ウクライナ軍(人)と戦うというあり得ない状況も現実味を帯びてきている。
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■暴走の果ては「核使用」?
部分的動員も一方的な東部4州併合も、プーチン氏の不満や焦りの裏返しだ。2つの策とも決して普通ではない。中国もこういったことについて、プーチン氏と考えを異にしている。そして、プーチン氏の暴走が止まらないなか、その果てに核を本気で使用することが懸念されている。
米国政府は現在のところ核を使う兆候はないとしているが、プーチン氏は最近の演説で核使用について広島と長崎のケースを引き合いに出すなど、ロシアの政治的独立や領土保全が脅かされた場合の核使用をちらつかせている。
これはハッタリではない。世界は第3次世界大戦の危険性を考えるべき時にきている。
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(取材・文/Sirabee 編集部・セレソン 田中)