100円購入した中古CD、その中身に目を疑う… 「こんなことある?」とネット民驚愕
中古CDコーナーで購入した商品を開封すると…。中から現れた「予想外の物体」に、ツッコミの声が寄せられているのだ。
■フロッピーの30年、壮絶すぎる…
【悲報】100円CDコーナーで買った一枚、まさかのフロッピーディスクだった。 pic.twitter.com/6Ti2dCWTg5
— デラ (@derax456) November 6, 2022
「令和4年の現代まで、天下のヤマハがFD商品を販売していた」という事実に驚きを隠せない記者の様子が伝わったのか、ヤマハ担当者は「こちらのFDは、ピアノプレーヤ(自動演奏ピアノ)の演奏データで、今年1月まで販売しておりましたが、現在はFDではなく、楽器店の専用端末『Muma』(ミューマ)にて、データとしての販売を継続しております」「曲データは現在のディスクラビア(自動演奏ピアノ)にて再生頂けます」と、商品の概要について説明する。
そして「今回ツイッターで画像が上がっていたものは『90年~95年頃』の商品と推測されます」と、見解を語ってくれたのだ。
順を追って説明すると、今回話題となった商品『旅人よ~思い出のグリ-ングラス』は90年代初頭から95年にかけて、CDパッケージにFDを収納した「ピアノ用ソフト」として販売されており、こちらがデラさんの購入したものである。
その後、96年には楽器店でエレクトーンやピアノなどのデータや楽譜を購入するサービスMumaの第1世代にてFD販売がスタートし、その際に前出のCDパッケージ商品は廃盤に。
そして時は流れ、08年からはついにFD供給元メーカーが世界的に「生産終了」の判断を下し、ヤマハでも09年のMuma第4世代よりFDの店頭販売を終了とし、以降は「FD直送サービス」にて在庫のある限り、FD商材として販売していくこととなったのだ。
こちらのサービスについて、ヤマハ担当者は「ピアノ用のFDをお求めになりたいお客様からお電話・FAXで直接ご注文して頂き、ご購入・ご発送をご依頼頂けるサービスでした」と補足している。
なお09年には並行し、「SMFデータ」としてUSBフラッシュメモリーでの販売を開始しており、こちらはFDに収載していたピアノソフト用フォーマット(E-SEQデータ)からSMF(スタンダードMIDIファイル)に変換し、「Disklavier専用データ」として販売するもの。
そうした紆余曲折を経て、22年1月には遂にFDが完売となり、もちろんFD直送サービスも終了。すべてのFD商材は販売終了し、現在はMuma第6世代にて、前出のSMFのみでの販売に至る…というワケである。
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■30年で大きく変わった音楽事情
今回の取材に際し、ヤマハ担当者が「90年代当時は2DDのフロッピーディスクを使用しており、1枚に10曲程度入っておりましたが、現在はディスクラビア本体に、約500曲が内蔵されるようになり、ウェブサイトからお好みの曲をSMF形式でダウンロードし、USBメモリにコピーして再生することもできます」「商品、データ形式ともにこの30年で変化が見られます」と振り返っていたのが、なんとも印象的であった。
ヤマハでは現在、ディスクラビアをインターネット接続することでデータをリアルタイムで送受信し、「国際間でリモートレッスンをする」といった試みも実現させている。
FDの全盛期から30年以上が経過した現代、我々は当時の人々が予想すらできなかったであろうサービスで音楽を享受している。果たして30年後の未来では、どのような形態で音楽を楽しんでいるのだろうか。
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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)