半導体チップ数百個を密輸しようとした女が逮捕 妊婦を装った腹に隠し…
数世代遅れのプロセッサが元値の500倍に? 原因は中国の深刻な半導体不足。
中国で起こっている深刻な半導体不足に乗じて、妊婦のように見せかけたお腹の中に数百個の半導体チップを隠して密輸しようとした女が逮捕された。『Bloomberg』『Local Today』などの海外メディアが報じている。
■妊娠を偽装して…
中国の税関当局の発表によると、ある女が202個のプロセッサと9台のスマートフォンをお腹に隠し持ち、逮捕されたという。
女は当初「妊娠5、6ヶ月だが、妊娠後期のように見えるほど大きなお腹を持っている」と主張していたが、お腹に付けた人工装具の下からは大量の密輸品が見つかっている。
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■元値の500倍で取引
このように大胆な密輸の背景には、中国の深刻な半導体不足がある。高い国内需要と限られた供給が相まって、中国国内では半導体の「闇市場」が形成されている。
そこでは、中古品であったり、数世代遅れた半導体チップが元の価格の500倍で取引されることもある。一攫千金を夢見る違法なブローカーにとっては、夢のある市場なのだという。
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■密輸は大きなビジネスチャンス
そもそも中国は世界の半導体の4分の3以上を消費しているが、生産量は世界全体の15%に過ぎない。こうした闇市場は半導体危機以前から存在していたが、密輸は大きな利益を得るチャンスだと感じる人が急増したため、ここ数ヶ月で規模が急拡大しているという。
ある半導体チップの違法なブローカーは、メディアの取材に対して「ここでは誰もか投機家だ」と語っている。
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■テクノロジー産業に暗い影
新型コロナウイルスのまん延は、世界のサプライチェーンに混乱を招いた。それによって引き起こされた世界的な半導体不足は、中国のテクノロジー産業に深刻な影響を及ぼしている。
特に自動車産業では各メーカーが電気自動車への移行を試みるなか、標準以下のチップが市場に浸透しており、自動車の品質と安全性が大きな危険にさらされているという。
取材に応じた違法なブローカーの一人は、「自動車サプライヤーが正規代理店を通じて、半導体チップメーカーから供給を待つという従来のシステムはもはや機能していません」と語っている。
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(文/Sirabee 編集部・びやじま)