タモリと桑田佳祐が憂う「新しい戦前」の背景 左派と右派の喧騒
タモリの「新しい戦前」と桑田佳祐の平和を歌う歌詞が響く昨年末。左派と右派の喧騒の整理と国際関係。
■タモリの言葉の重さとは…
以上からすればタモリの発言も一見、政府の動きを批判するものにも思えるが、タモリを単純に理解しようとしては間違いだろう。得体の知れなさがタモリの真骨頂である。
またあえて今になってのみ、突然の発言で騒がせることに意味はあるだろう。ただの政府批判と解釈してはならず、タレント・タモリとしては、左右ともに引用される程度の状況を呼ぶことがまさに適切なコメントだったと思われる。
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■戦争リスクという現実
いずれにせよ、タモリや桑田のメッセージに対する敏感さからして、国民の戦争を憂う気運は高まっているようだ。
現在進行形のウクライナ戦争への憂いはもちろんのこと、習近平体制の中国の存在は、日本が戦争に巻き込まれる危険性を現実的なものとする。
少なくとも、戦争のリスクを日本政府のせいにしていればいいという態度では、呑気で現実を見定められていないものとなるだろう。
一方で、防衛力を増強することでは即座に戦争を防ぐ回答とはなっておらず、防衛力増強ばかりにこだわっていてもいけないのもまた確かである。右だ左だと騒いでいるだけでは仕方がないのだ。
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(文/メディア評論家・宮室 信洋)