日本の防衛費増が導くのは… 極東アジアが第3次世界大戦の中心となる恐れ
岸田政権は防衛費増を実行する見込み。国家の安全保障を守るためには避けては通れないが、相手が悪すぎだ…。
日本を取り巻く安全保障環境はいっそう厳しさを増している。中国による海洋進出は収まることはない。
■厳しい安全保障環境
尖閣諸島での中国公船の領海進入は常態化し、台湾に対しての武力行使も現実の問題になってきている。台湾有事になれば沖縄にある米軍基地は攻撃を受けることになるが、それは日本の領土が中国から攻撃されたことになる。
北朝鮮を巡っても、北朝鮮は異例のペースでミサイル発射を繰り返し、今年は核実験の可能性が示唆されている。ウクライナで戦争を続けるロシアも極東地域で中国軍と頻繁に合同軍事演習を行うなど、不穏な動きを見せている。
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■国家として当然の防衛費アップ
こういった状況を考慮すれば、日本が独自に防衛費増額に踏み切ることは当然のことと言えよう。
防衛費をアップさせて、それによって防衛力を機能的にアップさせることで中国や北朝鮮、ロシアを抑止しようとすることは極めて重要なことだ。
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■中国や北朝鮮の対応
だが、中国や北朝鮮はそれにどう対応するだろうか。
両国とも日本の防衛費増を軍事大国への回帰などと非難しているが、最も現実的に考えられるのは、それを理由に日本に対する軍事的威嚇をさらに強め、日本向けの国防力強化に努めてくることだ。
国家の安全保障や脅かされることに対し、中国や北朝鮮は国民の自由や人権よりも軍事力アップを優先する可能性が極めて高い。
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■最悪のリスクも
そうなれば、日本の動きを強く警戒し、さらなる軍事力アップを目指すことになる。自らの安全保障を高めようとした日本の行動は返って極東アジア全体の軍事リスクを高めることになり、返って日本の安全保障を脅かす事態にも。
その傾向が長期的に続けば、第3次世界大戦の震源地が極東アジアになる恐れも否定はできない。日本の防衛費増にはそういった潜在的リスクが内在しているのだ。
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(取材・文/セレソン 田中)