卵一つを巡って… 吉野家とペッパーランチで我々が「間違った判断」してしまう理由
【得する経済学】安い品物なのにケチってしまい、またあるときは高い値段なのに嬉々として注文してしまう。人間行動の不思議についての話です。
■別の日、100円の卵を嬉々としてトッピング
ところが別の日の私の話です。「ペッパーランチ」でステーキを食べたとき、「200gのワイルドジューシーステーキに卵トッピングで」と注文している自分がいました。
ペッパーランチのトッピングは卵、チーズ、コーン、もやしなどなんでも一品100円です。卵が100円! この価格設定は吉野家の卵よりも明らかに価格が高いわけです。卵ひとつ85円ですら躊躇していたのに、卵ひとつ100円を嬉々として注文する自分がそこにいる。不思議な行動です。
実はこの注文のときを振り返ると、自分としては全然高いとは感じていません。その理由はやはりパーセンテージの魔法にありました。
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■70%の値上げは許せなくても…
ペッパーランチのステーキの価格は1,280円。そのトッピングに100円なので気持ちとしては「8%分、今日はちょっと贅沢するぞ」という気分になっているのです。
それと比較して吉野家で牛丼の並を注文するときは448円の注文に対してサイドオーダーの卵が85円。つまり「それやると値段が2割も上がっちゃうぞ」と警戒心が頭の中でアラーム音を鳴り響かせてしまうのです。
まったく合理的な行動ではないのですが、かくして私は吉野家では卵を節約し、ペッパーランチでは卵を大盤振る舞いして楽しんでしまったのです。では正しい行動は何だったのでしょうか?
「所詮は100円。食べたいときに卵は食べるべき」が正解だと思います。たぶんこれでよし。
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■著者プロフィール
Sirabeeでは、戦略コンサルタントの鈴木貴博(すずきたかひろ)さんの連載コラム【得する経済学】を公開しています。街角で見かけるお得な商品が「なぜお得なのか?」を毎回経済理論で解説する連載です。
今週は折から価格高騰中の卵の値段、それも外食でのトッピング価格の話です。
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(文/鈴木貴博)