3・11も近づく今、「災害への備え」は十分? 4割弱は防災袋すらなく…

2011年に東日本大震災が起きた3月11日が今年もやってくる。地震だけでなく豪雨なども毎年のように襲う今、災害への備えはできているだろうか。

2023/03/05 06:30


防災袋

今年も、3月11日が近づいてきた。東日本大震災から12年、その後も熊本での大きな地震や台風、大雨による被害など、列島各地を災害が襲い続けている。局地的な豪雨をもたらす「線状降水帯」といった言葉もニュースでよく耳にするようになった。


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■記憶を語り継ぐエンタメも

記憶は風化する。そこから教訓を得続けるには、いくつかの方法がある。

毎年9月1日は「防災の日」と定められているが、これは1923年9月1日に起きた関東大震災にちなんだものだ。死者・行方不明者が10万5千人を超えた未曾有の地震災害から、防災教育や報道などを通じて地震への備えが語り継がれている。

また、ドラマでは上野樹里が主演した『監察医朝顔』や、新海誠監督の映画『すずめの戸締まり』なども、3・11の悲劇を正面から描き、人間模様をエンターテインメントに昇華したものだ。

さまざまな情報が教訓として残っている中で、実際にはどれくらいの人が災害への備えをしているのだろうか。


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■4割弱が「何も備えていない」

Sirabee編集部が、全国10〜60代男女905名を対象に調査したところ、「災害などに十分備えている」と答えた割合は、わずか3.5%。

実際に被災するまで「どこまで備えれば十分なのか」はなってみないとわからないため、控えめながら納得できる数字かもしれない。「ある程度備えている」と答えた人は35.8%。「防災袋はある」派が24.2%だった。

今回の調査で最も多かった答えは、防災袋も家に置いておらず、「何も備えていない」という人で、じつに36.5%に及んでいる。

防災


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■関東では備える人が多い

4割近くが何の備えもしていない…というのは少し衝撃的なデータだが、地域差はあるのだろうか。つまり、地震や津波、豪雨など激甚な災害に見舞われたエリアの人たちは、他と比べて警戒心が異なるのか。検証してみると…。

防災

今回の調査で「何も備えていない」と答えた割合が最も少なかったのは、北関東で29.4%。東京を含む南関東が31.0%で続く。北海道・東北は34.5%とそれほど少なくはない。

東日本大震災の際は、地震当日の帰宅やその後の計画停電など関東地方も大きな被害と影響が長く及んだため、警戒心も強いのかもしれない。


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■西日本では少なく

一方で意外だったのは、災害への備えに「東高西低」の傾向が見られること。西日本で防災袋を含めて何も用意していない人は、近畿の40.1%から九州・沖縄ではじつに50.6%に及んだ。

1995年には阪神淡路大震災、2016年は熊本地震で大きな被害を受けているはずの地域だが、災害の記憶や知恵の伝承には必ずしも成功していないのかもしれない。

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(文/Sirabee 編集部・タカハシマコト

【調査概要】
方法:インターネットリサーチ
調査期間:2023年2月10日~2月12日
対象:全国10代~60代男女905名(有効回答数)
東日本大震災上野樹里新海誠線状降水帯
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