暴力を振るっても罪に問われない? 不法移民防ぐ「自警団」構想に批判続出
まるで「マンハント(人間狩り)」のよう? アメリカ・テキサス州公安局の行き過ぎとも言える不法移民対策に、驚きの声があがっている。
アメリカ・テキサス州の共和党議員が、隣国のメキシコからの不法入国社を防ぐため、「国境パトロール部隊」の創設を議会に提案。その内容が、物議を醸している。『Independent』『AOL』などの海外メディアが報じた。
■不法移民を防ぐ自警団
アメリカのメディアによると、テキサス州下院の共和党議長であるデイド・フェラン氏は、公共政策の会議で「国境警備に関する法案」を提出するつもりだと語った。
この法案はテキサス州公安局が不法移民を追跡・逮捕し、強制送還を可能にするもの。国境付近で活動する多国籍カルテルなどに、効果を発揮するという。
しかし、民主党議員や一部の批評家からは、自警団構想が「死の部隊政策」だとして強く反対されている。
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■民間人でも参加可能
法案が通れば、「自警団」は知事が選んだ指揮官の下、警察などの法執行官と民間人で構成される。メンバーは「致命的でない武力の使用」「不法入国社の逮捕・勾留・抑止」が認められ、さらに国境での活動については刑事訴追からも免責される。
一方で不法入国を州犯罪とし、初犯は1年間の懲役、2回目は2年間、以前に銃犯罪を犯した者は終身刑に処せられるようになるという。
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■不当な差別につながる?
これに対してテキサス州に民主党議員は、「この違憲で急進的な法案は、国境自警団により移民狩りを認め、罪のない人々の死につながるだろう」と反対声明を発表した。
また「過去50年間、ラテン系アメリカ人の州代表がこのような提案に対して戦ってきたように、この法律を廃止するために全力で戦うつもりです」と述べている。
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■過去に同様の取り組みも
テキサス州では過去にも似たような国境警備隊構想があり、共和党のグレッグ・アボット知事は2021年に州兵を国境付近に配置する「ローンスター作戦」を実施した。
しかしこの40億ドル(約5,200億円)をかけた取り組みは、州兵の死亡や自殺、人権侵害の申し立てにつながっており、望んだ成果は得られていないようだ。
SNS上では「彼らが人間狩りを始めるまでそう時間はかからない」「致命的ではない武力によって何人が命を落とすのか」と、批判的なコメントも数多く寄せられている。
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(文/Sirabee 編集部・びやじま)