日本人の5割超、大田区の漢字表記を勘違いしていた 「その理由」に耳を疑う…

我らが愛する東京都・大田区だが、なんと国民の半数以上が「太田区」と勘違いしていることが判明。その理由というのが驚きで…。

2023/04/05 17:30


大田区

世の中には「あれ、どっちだったかな…」とおぼろげに記憶してしまう事象が多々あるが、その正式名称が誕生した「背景」を知ると、思わず納得してしまうもの。賢明なる読者には既知の事実として映ったり、「細かすぎるだろ!」とツッコミを入れたくなるケースもあるかと思うが…決して少なくない人々が「誤って記憶している事象」の正体について探っていきたい。

今回取り上げるのは、東京23区の1つ「大田区」の表記についてである。

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■大田区、太田区と誤解されがち

東京23区で「名称を誤解されやすいエリア」と言えば、やはり江東区と大田区のツートップだろう。都内在住者ではまずありえないが、東京に馴染みがない人が前者を「えとうく」と誤読するケースが少なくなく、我らが大田区は「太田区」という誤記をしばしば目にする。

大田区

しかし、ここで気になるのが、大田区を「太田区」と誤解していた人の中には、ネット上で「昔は名前に点が付いていたんですけどね」「今は太田区でなく、大田区が正しいのか」といった具合に、「大田区はかつて太田区だった」という主張を掲げる人物が散見される点。

なお、全国の10〜60代の男女1,000名を対象に実施した「大田区」に関するアンケート結果を見ると…。


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■半数以上が「太田区」と誤解

大田区グラフ

「おおたく、の漢字表記はどちら?」という設問に対し、なんと過半数の54.4%が「太田区」と回答していたのだ。

年代ごとの回答結果を見ると、ほぼ全ての年代で半数以上が「太田区」と誤答しており、辛うじて50代のみが5割未満となっている。どうやら若年層ほど「太田区」と誤解している傾向にあるようだ。

大田区グラフ

しかし、前出の「大田区はかつて太田区だった」説が正しいとするならば、変更の時期にもよるが「年長の世代」の方が「太田区」と認識している割合が大きいのが道理ではないだろうか。もちろんこちらの説とは関係なく、メジャーな名字である「太田」と混同しているケースも少なくないと思われるが。

そこで今回は、大田区の歴史および表記名について、大田区役所に詳しい話を聞いてみることに。すると、なんとも驚きの事実が明らかになったのだ…。


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■大田区役所も思わず困惑

大田区役所

まずは現在の「大田区」が生まれた経緯について確認すると、大田区 担当者からは「旧大森区と旧蒲田区が1947年に合併して誕生した、という認識で相違ございません」との回答が得られた。

旧区名を見てピンと来た人も多いかと思うが、「大森」と「蒲田」からそれぞれ1文字ずつとって「大田区」が成立したワケである。

大森駅

続いては、決して少なくない人々が「昔は太田区表記だった」という説を掲げている現象を話題にあげたところ、担当者は困惑した表情に。

念のため「大田区立郷土博物館」にも確認をとった上で、「先ほど申し上げたとおり、大田区誕生のルーツは大森区と蒲田区の合併となります」「名称もこちらに由来しているため、そうした事情を考慮しても、大田区が太田区という表記であった時期はございません」と、「ごもっとも」な回答を寄せてくれたのだ。

蒲田駅

ネットスラングには「マンデラ効果」(マンデラエフェクト)と呼ばれるワードが存在し、これは「事実と異なる記憶」を不特定多数の人が共有している現象を指す。「大田区はかつて太田区だった」という主張も、このマンデラ効果の1つと考えていいのではないだろうか…。

今回のように細かい部分の表記で、多くの人が誤解していそうな名称があれば、ぜひSirabee編集部に情報を寄せてほしい。日常に隠れている、ちょっとした『気になる』の謎を共に解き明かそう。

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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ

【調査概要】
方法:インターネットリサーチ
調査期間:2023年1月27日~2023年1月30日
対象:全国10代~60代男女1,000名 (有効回答数)
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