早稲田大学の「キッチン南海」、ひそかに復活していた 看板メニューには変化も…
昨年9月に閉店した「キッチン南海」。その後、名前を変えてひそかに復活を果たしていて…。
昨年、早稲田大学の近くにある洋食店「キッチン南海」が閉店した。長らく、早稲田の学生の胃袋を支えてきた店が閉まったことに驚きの声があがった。
だが、同店はひそかに復活を遂げていて…。
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■早稲田で50年近く営業
「キッチン南海」は、1960年に東京都・飯田橋で創業。カレーライスや生姜焼き、アジフライなどを提供している。神保町や南池袋、駒場など、都内の大学が集うエリアを中心に店舗を拡大。
店舗によって値段は多少異なるものの、700~800円前後とリーズナブルな価格でボリュームのある料理を食べられるのが強み。「キッチン南海 早稲田店」(東京・新宿区)は1973年にオープン。
早稲田大学から徒歩1分という立地もあり、50年近くにわたって早稲田の学生達から愛されてきた。
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■店名を変えて再出発
しかし、昨年9月30日をもって閉店。理由は、50年近く腕をふるってきた店主が体力の限界を感じたため。事前に告知されず、10月になって貼り紙で閉店したことを知らせた。
ネット上では、突然の閉店にショックを受ける人の声が多数あがる事態に。「キッチン南海」としての歴史にはピリオドが打たれたが、昨年11月に後継者が後を継ぎ、店名を「キッチン南国」に変えて再スタートを切った。
こちらも大々的な告知はしなかったので、知らなかった人も多いかもしれない。生まれ変わった「キッチン南国」はどうなったのか、4月初旬、同店に足を運んだ。
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■「変わらない良さ」に感動
記者は大学生だった10数年前、早稲田大に通っていた友人に連れられて「キッチン南海」に足を運んだことがある。当時と比べて、店の看板は変わったが、店内はカウンター席とテーブル席3席で変わらない。
メニューもカツカレー(800円)、しょうが焼きライス(750円)、チキンカツ・カニクリームコロッケ(800円)と、揚げ物を中心に南海時代のものを継承している。どれも魅力的で迷ったが、看板メニューであるカツカレーを注文。
相変わらずセットで味噌汁が付いてくる。まずはカツをいただく。
外はサクサクで中からジューシな肉汁が溢れ出す。南海の時もそうだったが、揚げ物は注文を受けてからじっくり揚げるので熱々だ。
カレーは玉ねぎがほとんどなくなるくらい煮込まれており、コクがある。カツとの相性も抜群で食べる手が止まらない…。
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■随所で変化も見受けられて…
10年前に食べた時同様、美味しかったがいくつか変化した点も見受けられた。まずは、カレーのルーだ。南海時代は、どちらかというと水分が多めでサラッとしていたが、トロッとしたものになっていた。
カレールーの「シャバシャバ派」「トロトロ派」は好みも分かれると思うが、記者は後者が好みなのでより美味しくいただけた。ルーに加えて、辛さも変わったと思う。
以前はスパイスが効いて少々辛かったが、南国になってマイルドな味わいになった印象。より多くの人が食べやすいようにという配慮だろうか…。
「キッチン南海」時代の良さは残しつつも、随所でパワーアップしていた。昨年、閉店の知らせにショックを受けた人も、ぜひ生まれ変わった「キッチン南国」に足を運んでほしい。
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(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人)