中国海軍は3隻保有する空母 台湾有事も懸念される今、7割が「日本も保有すべき」

4月上旬に台湾を包囲する形で実施された中国の軍事演習。国産初の空母「山東」が太平洋に進出したことも話題に。

2023/04/19 05:45


いずも型護衛艦

今月8日から10日にかけて、中国海軍は、台湾周辺で大規模な軍事演習を実施。3月30日と4月5日に、台湾の蔡英文総統が、非公式な指定訪問とはいえ4年ぶりに訪米したことへの抗議の意味合いもあると見られている。


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■中国海軍の空母が太平洋にも

今回の演習には、中国初の国産空母「山東」も参加。山東は東シナ海を抜けて太平洋まで進出。他の艦艇や航空機部隊とともに台湾を四方から包囲するような形で圧力をかけた。

この山東は、建造途中で廃艦になっていた空母・ヴァリャーグを1998年にウクライナから購入した中国が、「遼寧」として完成させた同国初の空母の改良型。遼寧は、かわぐちかいじ氏の漫画『空母いぶき』にも敵国の主力として登場する。

中国は現在、遼寧・山東の2隻の空母が就航しており、国産空母としては2隻目となる「福建」が昨年6月に進水して現在艤装中。海軍力が飛躍的に高まることを懸念する声も根強い。


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■かわぐちかいじ氏の漫画に

先述した漫画『空母いぶき』は、佐藤浩市主演で映画化もされたが、原作では尖閣諸島や八重山諸島の一部が中国軍に占領され、中国海軍の遼寧と作中では自衛隊が保有している架空の空母「いぶき」が戦うストーリーだ。

いぶきは、空母のように見える全通飛行甲板を持った自衛隊のいずも型護衛艦に、離陸距離を短くするためのスキージャンプを取り付けたようなデザイン。

しかし実際にはスキージャンプは設置せずに改修が行われ、2021年には垂直離着陸が可能な戦闘機・F-35Bの発着艦試験も行われている。


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■空母は保有すべきか

ヘリコプター運用のために建造されたいずも型を固定翼機が離発着できるようにする改修は、日本の空母保有に向けた第一歩とも言えるが、いずもの基準排水量は中国海軍の最新型・福建の1/3以下。

しかも、スキージャンプもなく、そもそも空母として設計されていない。憲法9条の制約がある中ではあるが、日本も自衛のために空母を保有するべきなのだろうか。


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■7割が「保有すべき」

Sirabee編集部が4月10〜12日にかけて、全国10〜60代男女1,000名を対象に調査したところ、全体の27.5%が「できるだけ早く空母を保有すべき」と回答。「将来的には保有すべき」と答えた43.7%と合わせると7割を超えた。

「保有すべきでない」は28.8%にとどまっており、圧倒的多数が空母保有を求めていることがわかる。直近で行われた中国海軍の大規模演習やウクライナに突如侵攻したロシアと隣接していることなどへの恐怖心もあるはずだ。

空母保有


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■高齢者は4割が「すぐに」

世代別で見ると、興味深い傾向が。60代では「できるだけ早く」と答えた人が37.7%と全世代で最も多い。平和な戦後を生きてきた世代ながら、東アジア情勢の緊迫化を喫緊の課題として感じているのかもしれない。

一方、10〜20代は「できるだけ早く」は16.1%と最も少なかったものの「将来的には保有すべき」は48.4%と全世代で最多に。若い人たちも「このままの防衛力では守りきれないのではないか」という不安が色濃いように見える。

空母保有

現在、世界で最も空母を積極的に運用しているのは米海軍だが、空母は多数の護衛艦艇や潜水艦などと打撃群を構成する必要があり、多数の航空機や人員も求められる。さらに、修理・点検のためには、最低でもそれが2ユニット必要。

政府は防衛費増を掲げているものの財源のめどは確定しておらず、実際に日本の経済力で空母を運用できるのかは課題も少なくない。

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(文/Sirabee 編集部・タカハシマコト

【調査概要】
方法:インターネットリサーチ
調査期間:2023年4月10日~4月12日
対象:全国10代~60代男女1,000名(有効回答数)
自衛隊海上自衛隊佐藤浩市スキージャンプ蔡英文
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